全国商工新聞 第3349号2019年2月18日付
中央社保協が開いた「国保差し押さえ・滞納処分学習会」
中央社会保障推進協議会(中央社保協)は3日、福岡市内で「国保差し押さえ・滞納処分学習会」を開き、111人が参加しました。
開会あいさつの後、池田和彦・筑紫女学園大学教授が基調報告。国民健康保険(国保)の国庫負担削減と、差し押さえや国保証取り上げが強まっていることに触れ、「国の責任で国民を支える社会保障から、自助努力へと国保の性格を変質させてきた政治のあり方が、その背景にある。国民を守る国保に変える運動が必要」と訴えました。
国嶋洋伸弁護士が滞納処分の現状と対抗策を解説。児童手当や給与、年金などの差し押さえ禁止財産も預貯金口座に入れば預金と判断した最高裁判決を根拠にした差し押さえもあることから、「一律な口座の差し押さえを禁じた鳥取地裁判決を示して取り戻す運動が必要」と提起。差し押さえを定めた法律そのものを変えることも重要と訴えました。
運動交流では、滞納処分対策全国会議の仲道宗弘司法書士が、鹿児島県垂水市で起きた児童扶養手当差し押さえ問題を報告。「納税者の権利を尊重した徴収行政を自治体に求める運動が求められる」と語りました。また柳明夫糸島市議が年金を差し押さえられた住民救済に動いた経験を語り、住民を守る議員活動の大切さを強調しました。
岩下幸夫・全商連常任理事は閉会あいさつで「学んだことをたたかいに生かし、自治体交渉などを強め、違法な滞納処分や差し押さえをなくそう」と呼び掛けました。