全国商工新聞 第3345号2019年1月21日付
庄原市に公契約条例の制定を求める庄原民商などの代表(右側)
広島県庄原市は2018年12月議会において、議員提案による「庄原市における公契約の基本を定める条例」(庄原市公契約条例)を賛成17、反対2の賛成多数で採択、条例が成立しました。庄原民主商工会(民商)などの働き掛けで、市議会が独自に視察、調査を行ってきたもので、県内で初めて。民商では「条例の内容を生かし、さらに安心して商売ができるような規制をつくらせていきたい」と話しています。
庄原市公契約条例は公共事業の品質向上や労働条件の確保を図ることで、「地域経済及び地域社会の健全な発展に寄与することを目的」としたもの。
基本方針として、公契約の適正な執行・良好な品質の確保、透明性の確保、談合その他不正行為の排除徹底などを明記。その上で、市の責務として「適正な公契約に関する取り組みを総合的に実施する」と定め、受注者は「公契約に携わる者として社会的な責任を自覚し…契約を適正に履行しなければならない」としています。
民商や建設労働組合、連合、地域労連などの働き掛けで市議会は15年3月、公契約の条例制定を求める決議を採択。しかし市は「労働関係法制は国が整備することが基本」などと、消極的な態度を続けてきました。
17年になって市は「公契約条例検討委員会」を設置し、検討を始めたものの、18年8月、検討委員会は「条例の必要性はない」と市長に答申。このため、市議会は、議員提案にによる「公契約条例」を提案、採択されたものです。
反対したのは公明党と無所属の議員2人でした。