水道民営化中止など要請
6自治体と懇談

全国商工新聞 第3344号2019年1月14日付

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振興条例の制定などを求め、豊川市と交渉する豊川民商の役員ら(右から3人目が伊藤純会長)

 愛知・豊川民主商工会(民商)は先ごろ、3市2町1村の6自治体と、小規模企業振興基本条例の制定、水道事業「民営化」、防災対策、リフォーム助成制度創設、国保料滞納問題などで懇談、住民の声を届けました。伊藤純会長ら延べ29人が参加。蒲郡、豊川、新城の3市と設楽町との懇談には日本共産党議員が同席しました。
 住宅・商店リフォーム助成制度の創設では、2011年から3年間、リフォーム助成を実施した実績のある設楽町が「景気対策として大きな効果があった」とした上で「(住宅・商店)両制度の再開・創設を検討したい」と表明しました。
 未実施の豊川、蒲郡の両市は「耐震工事を行った場合だけ補助する」とこれまでの回答を繰り返すだけ。参加者から「高額な耐震工事ができるのは一握りだけで、制度の利用者も増えていない。リフォーム助成だけでも補助金が出れば、利用が広がり地域循環型の経済効果が生まれる」と制度創設を迫りました。
 市民の暮らしと中小業者の経営に大きな影響を与える水道事業「民営化」問題も各自治体と率直に意見交換。
 設楽、東栄両町と豊根村は「簡易水道だから民間企業が参入することはない」とし、新城市、蒲郡市もそれぞれ「民営化の考えはない」「一括で一つの民間企業に委託することは考えていない」と答えました。
 一方、「(民営化も)検討していきます」と回答したのが豊川市。参加者は「ヨーロッパでは水道料金の大幅値上げ、維持・管理のずさんさで再公営化される事態も起きている」と指摘し、自治体の責任で水道事業を運営するよう強く求めました。
 防災対策の要望では、台風24号による災害があったこともあり、各自治体担当者は「頼りにしているのは地元の建設業者。『災害応援協定』を締結し、地元建設業者の育成に力を入れたい」などと評価。参加者は「災害時に備え、自治体として治山・治水事業などで日常的に仕事を回し、地元業者を支援してほしい」と要望しました。
 国保料、年金保険料などの滞納問題では、差し押さえありきの強権的な徴収ではなく「一人ひとりの状況を考えた対応」を強く要求。消費税問題では、自治体としてインボイス、軽減税率導入反対の意見書提出を求めました。「国税に関することなので回答は控える」と答えた自治体には、「国に意見を言わなければならない立場が自治体ではないか」と抗議の声が上がりました。

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