全国商工新聞 第3335号11月5日付
国保料の引き下げ、農業支援などについて北市長(右から3人目)と懇談する旭川民商富良野支部の役員
北海道・旭川民主商工会(民商)富良野支部は9月28日、4月に当選した北猛俊市長らと市税、農業、JR廃線問題などで2時間にわたって初めて懇談しました。高橋秀雄支部長、大居明夫、神部敏明の両副支部長ら4人が参加。市側からは総務部長、経済部長、市民生活部長らが同席しました。
高橋支部長らは、市税について「国保や後期高齢者医療等の市税が、年金暮らし等の収入の少ない人には負担が大きい。引き下げる努力を」「滞納者からむやみに徴収はせず、親身な対応を」と要望。
北市長らは「前年と比較して国保料は引き下げることができた」と紹介した上で、「減免制度の拡充等の努力をしているが、国や道の政策があるので市町村とすれば苦しい立場。北海道市長会を通して意見を届ける方法もある」と語りました。
滞納者への連絡については「文書だけではなく訪問もしている。夜間相談窓口を開設するなど、実情をつかむ努力を続ける」と答えました。
富良野の基幹産業である農業について、参加者は「街の美しい景観は農業が作っている。観光産業のためにも農業への大きな支援を」「世界的な食糧難の時代が来ることを見据え、日本の自給率向上のためにも家族経営を応援してほしい」と要望。市側は「ヘルパー体験や研修会等、新規就農者への支援を続けていきたい」「今後も自治体としてできることはする」と回答しました。
JR廃線問題(富良野線、根室線)についても、「農作物輸送に重要な役割を果たしている。存続のために力を合わせましょう」と呼び掛け、富良野支部としてJR存続署名を集めていることを紹介。引き続き、自治体としても存続を訴えてほしいと要望しました。
市側は「JRの収支は10億円の赤字だが、JRの示す廃止路線となる基準は1キロあたり2000人の旅客輸送。富良野線は基準をクリアするまでもう少し。周辺自治体とも協議を重ねて存続を訴えていきたい」と答えました。
民泊利用者によるマナー違反、営業への悪影響などへの不安の声が広がっていることについても「事前に宿泊業者の声を聞いてほしい」と要望しました。
地域経済振興条例に基づく中小業者支援策の拡充を要望する前橋民商の大野豊文会長
群馬・前橋民主商工会(民商)は10月16日、前橋市に地域経済振興条例に基づく中小業者支援策の拡充を求めて懇談しました。大野豊文会長はじめ三役、事務局員ら6人が参加。前橋市から産業政策課、収納課など18人が応対しました。日本共産党の長谷川薫、中道浪子、小林久子の3市議と石関友好県連事務局長が同席しました。
大野会長は、市の振興条例が規定する「経済団体」に前橋民商を含めており、その立場で懇談している、とした上で「自治体が安倍暴走政治の防波堤としての役割を発揮するよう強く求めたい」とあいさつしました。
「市の産業振興ビジョンの審議員に民商代表を入れてほしい」との要請には、「次回以降に検討したい」と回答しました。
県内6割の自治体に広がっている住宅リフォーム助成制度の創設を迫ると、建築住宅課は「60歳以上の世帯の外壁や屋根工事のリフォーム工事補助制度を創設した」と回答。参加者は「空き家対策費1億円のうち、2000万円をこの制度へ回したに過ぎない」と指摘した上で、国の交付金が住宅リフォーム助成に使えることを示し、同制度の創設を強く求めました。
今年度で終了予定の「小口融資制度の保証料全額補助」の継続要望について、担当課は「継続するよう予算要望している」と回答。IT補助金・設備投資促進補助金についても「来年度も継続する」と答えました。
古谷諭副会長は、安倍首相の消費税率10%への引き上げ宣言を批判するとともに、前橋商工会議所会頭がインボイス制度に反対していることを紹介。「市として増税とインボイス制度撤回を国に求めるべきだ」と迫り、中山誠二副会長は、要介護の認定者が広く障害者控除を受けられるよう、周知徹底するよう要望し、市側は「介護担当課に伝える」と約束しました。
松本賢一副会長は、前橋上空でのオスプレイの飛行訓練中止を米軍と国に求めるよう要望。「県内の市町村では前橋市だけが米軍と国に要望している」との市側の回答に、「安全に配慮してほしい」という不十分なものと指摘し、「飛行中止」を強く求めました。