西日本豪雨
被災業者支援拡充へ
「実情を聞いて迅速に」 中企庁長官が表明
全国商工団体連合会(全商連)は8日、西日本豪雨災害で被災した中小業者への支援拡充、消費税増税の中止、社会保険料の負担軽減など3項目で、中小企業庁の安藤久佳長官に要請を行いました。太田義郎会長、岡崎民人事務局長、中山眞常任理事らが、中小業者の実態を踏まえた支援施策を求めて懇談しました。
中企庁の安藤久佳長官(右から3人目)に要請書を手渡す全商連の太田義郎会長と岡崎民人事務局長(その左)、同席した日本共産党の(右端から)岩渕友、辰巳孝太郎両参院議員
太田会長は、冒頭、政府がいち早く「生活・生業再建支援パッケージ」を予備費で措置したことに謝意を表明。「個社への補助上限が200万円に引き上げられたが、例えば岡山県では被災事業者の被害額は平均すると1380万円。被災したことが廃業につながらないように、もう一歩前に進めて」と要請しました。
安藤長官は「再建への気持ちを奮い立たせていただくためにも、予見性と希望を持ってもらうことが重要と考えている。丁寧に事業者に寄り添ってマンツーマンで相談に乗り、迅速に支援を実施していきたい。公表した支援策は第1弾で、今後顕在化してくる要望には必要に応じ措置を講じていきたい」との考えを述べました。
来年秋に迫る10%への消費税増税について、太田会長は「大不況になるとの声が強い。特に売り上げ1000万円以下の500万もの免税業者は廃業の危機に陥る」と述べ、「実態をつかみ政府にも意見を上げていただきたい」と要求。安藤長官は「増税で混乱しないよう支援を実施する立場なので、インボイスの問題も含めよく実情を聞きながら知恵を出していきたい」と応じました。
社会保険料の負担軽減については、「難しい問題だが、小規模企業振興基本法制定5年後の見直しが迫っているので、さまざまな課題をテーブルに乗せて議論していきたい」と表明しました。
多発する自然災害と防災・減災の課題や支援のあり方などについて率直な意見交換も行われました。
この要請には日本共産党の辰巳孝太郎、岩渕友の両参院議員が同席しました。
店舗兼住宅も補助 9省庁と交渉
西日本豪雨で大きな被害を受けた広島、岡山、愛媛の3県商工団体連合会(県連)は9日、被災事業所への直接支援など17項目の要望を掲げ、国土交通省、農水省、経済産業省・中小企業庁など9省庁と交渉しました。全商連の中山眞常任理事はじめ、居神友久(広島)、福木実(岡山)、田部浩三(愛媛)の各県連事務局長らが参加。日本共産党の大門実紀史、仁比聡平の両参院議員、笠井亮衆院議員の各秘書が同席しました。
参加者は、被災地復興を後押しする大型予算を組むこと、被災した事業所、店舗などに対する個別の直接支援を行うこと、がれきの混じっていない土砂についても公費で処理費用を負担すること、医療費、国保料(税)の大幅な減免措置、社会保険料の負担軽減などを要望。また、被害実態を示しながら「集落でたったひとつしかない美容室は、地域の人たちの社交場。前例があるかないかではない。被災者、地域に寄り添った支援を」と訴えました。
各省庁の担当者は「私有地に入ったがれきの混じっていない土砂についても公費負担できるように省庁間で調整している」「店舗兼住宅が被災した場合、自宅が被害を受けていない場合でも、面積の案分で補助を受けられる」「グループ補助金の自己負担分について、自治体が全額負担できるかどうかは調整が必要」「持続化補助金を200万円に増額した」「国保料(税)の徴収については実態をつかんで適切に対応したい」などと、実態に沿って対応していく考えを示しました。