消費増税　談合許さん　怒りの声で国会包囲

　民主、自民、公明の3党は15日、「消費税増税法案」について「修正」で合意し、衆議院の通過を狙っています。世論を無視した「密室談合」による増税への動きに国民、中小業者の怒りが噴き出しています。全国商工団体連合会（全商連）も加盟する消費税廃止各界連絡会（中央各界連）と中央社会保障推進協議会（中央社保協）はこの日、緊急集会を国会前で開き、「消費税談合は許さない」と中小業者や労働者が怒りのこぶしを突き上げました。集会後、議員要請行動とＪＲ新宿駅前での署名宣伝を繰り広げました。

消費税増税反対署名　1500万突破

「消費税増税」採決強行やめろ！の横断幕を掲げ、シュプレヒコールする集会参加者（衆院第2議員会館前）

　衆院第2議員会館前で開いた国会前集会。消費税増税に突き進む野田内閣の暴走を食い止めようと100人が参加。主催者を代表して中央各界連の木村正則事務局長は、「社会保障制度を切り捨て、消費税を引き上げるのが、増税勢力の狙い。この間の各界連の運動で、署名は1500万人分を超え、増税反対が国民の明確な世論。税・社会保障の特別委員会での強行採決を許さない運動を広げよう」と呼びかけました。
　中央社保協の相野谷安孝事務局長の訴えに続き、全商連の西村冨佐多副会長は「消費税は中小業者を苦しめている。今でさえ滞納が増えているのに、10％になれば倒産が激増する。何としても廃案を」と力を込めました。
　日本共産党の宮本岳志衆院議員が国会情勢を報告しました。

　国会議員へ要請
　国会議員要請行動に参加した東京・立川民主商工会（民商）の鶴田優会長＝精密板金＝は、「増税法案を徹底審議し廃案を求める要請書」を東京都選出の議員に手渡し、「消費税は赤字でもかかり、払えず苦しんでいる。10％への増税はとんでもない。日本経済を破綻させる」と訴えました。応対した秘書は「議員は消費税増税に反対して民主を離党した。要請は必ず伝える」（木内孝胤・衆院議員秘書）、「消費税は反対の立場」（民主・東祥三・衆院議員秘書）などと応えました。

　街頭宣伝に共感
　ＪＲ新宿駅西口での署名宣伝行動には11団体から41人が参加しました。
　中学生の2人の子どもを持つ女性会社員は「消費税が10％になれば、子どもを育てるのがとても厳しくなる。次の選挙では民主党に絶対に投票しない」と言い切りました。貿易業を営む経営者は「景気が必ず悪くなる増税には反対だ。収入が減り、かえって税収が下がる」と署名に応じました。フリーターの20代男性は「クラシック音楽を学ぶためドイツ留学を考えている。でも増税されれば留学費用もたまらない。景気が悪いときに増税するな」と語りました。
　全国保険医団体連合会、農民運動全国連合会、新日本婦人の会、全国商工団体連合会、東京土建の代表者が宣伝カーから「世論と運動を大きな力にして増税法案を必ず廃案に追い込もう」と署名を呼びかけました。

超党派で反対集会　自公除き150議員が結集

　「増税談合による強行採決は許せない」―。「消費大増税採決に反対する超党派国民集会」（主催・消費税を考える国民会議＝会長・清水信次日本チェーンストア協会会長）が14日、東京・憲政記念館で開かれ、自民、公明を除く各党の衆参国会議員116人、秘書を含め152人が出席。講堂内に500人、会場外にも300人以上が詰めかけ、増税反対の国民世論を無視した民自公3党で増税談合を進める野田政権の暴挙に抗議しました。
　清水会長は「いまの経済状況で大増税はするべきではない」と訴え、参加者は「増税談合阻止！！」のプラカードを掲げ、「そうだ」の声を上げました。
　鳩山由紀夫元首相（民主）は「いま増税すれば生活、雇用に大変な影響を与える。増税に次ぐ増税を招く」、亀井静香氏（無所属）は「野田首相は格差社会の是正に逆行している。増税は水のない井戸から水をくみ出すようなもの」、志位和夫氏（共産）は「消費税増税に断固反対を貫いている。中小業者は身銭を切って消費税を払っているのに、10％にされたら商店街も町工場もなくなり、中小企業は倒産に追い込まれる。財源は鳩山（由紀夫）さんには悪いが負担能力のある人から取るべき」、福島瑞穂氏（社民）は「格差是正と生活再建こそ必要」など各党の代表が増税反対を訴えました。渡辺喜美氏（みんなの党）、内山晃氏（新党きづな）、松木謙公氏（新党大地）、田中康夫氏（新党日本）もあいさつしました。
　「やるべきことをやらずして、このデフレ・不況の時に十分な議論もないままの消費大増税の採決には反対する」との決議を拍手で確認しました。