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  トップページ > 税金のページ > 徴税攻勢 > 全国商工新聞 第3168号5月18日付
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税金 徴税攻勢
 

脱税でっちあげ7年調査 応答記録書を偽造=広島

 納税者が脱税したかのような虚偽の質問応答記録書を作成し、署名・押印させ、7年分の調査を迫るなどとんでもない-。人権無視の不当な税務調査を受け、広島・三次民主商工会(民商)に入会したFさん=農業=は4月15日、民商の仲間と一緒に三次税務署に抗議、質問応答記録書の破棄と税務調査の中止を求めました。交渉には8人が参加しました。

 参加者は「犯罪者扱いをしているとしか思えない。これで納税者の理解と協力を得ていると言えるのか。質問応答記録書を破棄して正確な文書にすべき」と追及。応対した総務課長は「質問応答記録書は質問検査権の一環として、事実関係の詳細を見て重要事項と確認した場合、正確性を記すために取っており、納税者の理解と協力を得て行っている。行政文書なので破棄することはできない」と答えました。
 参加者は「納税者には行政文書の訂正を求める『訂正請求権』があるはず。なぜ、質問応答記録書が破棄できないのか」と問い正すと「双方の見解に非違が生じないように記録書を作っている。当事者の話を聞かせてほしい」との回答。Fさんは「訂正請求」(行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律第27条)の提出を検討しています。
 税務署からFさんに「税務調査をしたい」との連絡が入ったのは昨年9月。天候不順で稲刈りが思うように進まないことに頭を悩ませ、署員の話も理解できずにまともな返答ができない状態でした。しかし、税務署から何度も電話が入り、10月28日に2人の署員が自宅を訪ねてきました。(1)父親が亡くなった時に、必要なものとは思わず、資料を処分してしまった(2)農作業で精神的、身体的に耐えられない-などの状況を署員に伝えました。
 ところが、署員は取引先への反面調査を実施。11月14日の調査説明では「平成25年分の売り上げが違うこと」を取り上げて質問応答記録書を作成し署名・押印を強要しました。
 その後、税務署から「7年分の調査をする」との連絡が。Fさんは絶望的な気持ちになりました。
 そんな時、知り合いから紹介され、民商に相談。Fさんは初めて「税務調査が任意調査であり、精神的に厳しい時に、本人が理解できないまま、調査を進めることは税務運営方針に反する」ことを学ぶと同時に、「自分が売り上げをごまかしていたかのように語った虚偽の質問応答記録書を税務署が作成した」ことを知りました。
 「税金の知識がないのに脱税ができるわけがない」。怒りが込み上げてきたFさんは民商に入会してたたかうことを決意しました。民商の仲間は商工新聞(1月26日号)を読み、調査手続きチェックシート、調査経過記録書、質問応答記録書の開示を求めるようにFさんにアドバイスしました。
 開示された質問応答記録書には「実は計算間違いではなく、私のちょっとした出来心で少なめの収入で申告をしてしまいました」など、言ってもいないことが書かれていました。
 Fさんは3月13日の重税反対統一行動に参加し、「不当な税務調査の中止を求める」請願書を三次税務署に提出していました。

全国商工新聞(2015年5月18日付)
 

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