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トップページ > 全商連とは > 中小商工業研究 > 全国商工新聞 第2786号 6月18日付

中小商工業研究
 

第15回中小商工業全国交流・研究集会
ふみ出そう、憲法を力に。地域から発信しよう、中小商工業の輝きを
「極める―技術・商売」 パネリスト 三好啓之さん
ものづくりの”共同”に挑戦 西陣を現代に生かす道に手応え

 西陣織や京友禅など京都の伝統工芸の素材と技を生かした「西陣を考える会」の活動が話題を集めています。代表の三好啓之さんは、第15回商工交流会のパネルディスカッション「極める‐技術・商売」のパネリストを務めます。「考える会」が挑戦しているのはものづくりのコラボレーション(共同)です。

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デザイナーとの協力で製作したパピルス素材のバッグを手にする三好さん
  「考える会」のメンバーは14人。金箔や銀箔を織り込む技術を持った西陣織の職人はじめ、「すくゐ織り」の職人などさまざまな技を持つ匠のグループです。1回目の集まりをもってから1年。これまでにパピルス(世界最古の紙)素材のハンドバック、ショールや金襴のバッグ、帽子などの新たな商品を誕生させています。
  「デザイナーやバイヤーとの出会いが自分たちの持つ技に新たな光をあてることにつながった。伝統の技が縦糸とすると、異業種の人たちとの協力は横糸。縦糸と横糸ががっちり組み合わさることにより、消費者が求める売れる商品開発ができるようになる。西陣を現代に生かす道への手応えを感じている」と三好さんは話しています。
  西陣織・京友禅は京都の地場産業として1400年余の歴史を誇りますが、和装需要の減少により、新たな製品開発・市場開拓が課題になっていました。これまでも、西陣の伝統技術を生かして多くの製品開発に努力してきましたが、成功するには至っていませんでした。
  三好さんが考えたのは、ものづくりから価値づくりへの発想転換。東京・青山でイチーズギャラリーを経営し、伝統産業を守る活動に携わる市川博一さんから「マーケットを勉強する必要がある。慌ててものを作ろうとしてもだめ。作り手の技術力・伝統への評価を高めることが必要ではないか」と提案されました。
  その提案が「箔・染・織の伝統技術と素材展」に結びつきました。昨年9月と今年1月に青山で開催。出来上がった物を展示するのではなく、「素材と技術」を紹介し、現代のものづくりへの活用をユーザーに考えてもらうのが狙い。金箔、銀箔、絵箔、螺鈿、染料などの素材。金箔や銀箔、さらに螺鈿を織り込む技術など伝統の職人技が紹介されました。
  三越や伊勢丹などの商品開発担当者や著名デザイナーなども訪れ、好評を博し、具体的な商談にも結びつきました。「自分たちの持っている強みを認識するとともに、その値打ちを理解してもらう見せ方の大事さを認識した」と三好さんは話します。
  展示会を通じてのつながりが、製品開発にもつながり、西陣の業者を励ましています。

 
 
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