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調査 動向調査
 

「消費税転嫁できず」半数=14年上期営業動向調査

 全商連付属・中小商工業研究所は4月1日、14年上期営業動向調査をまとめ発表しました。4月1日の消費税増税実施直前の調査であったため、「消費税問題」を「経営上の困難」だと感じている業者が、前期と比べ8.5ポイント増の39.5%に達し(図1)、「経営の勉強の希望」でも「消費税対策」を求める事業主が前期から3.8ポイント増の24.2%になるなど、前回以上に消費税に対する危機感が強く現れたものとなりました。

図1=経営上の困難

 消費税の特別調査では、消費税を売り上げ・単価に「完全には転嫁できていない」と回答した事業者は49.4%と半数に及び、消費税が10%になった場合の転嫁の見通しについては、64.5%が「完全には転嫁できない」と回答しました。
 また、消費税が10%になった場合、「利益が減る」(31.8%)、「売り上げが減る」(34.0%)と回答した事業主がいずれも3割を超え、「売り上げが大幅に減る」との回答も16.2%でした。さらに「廃業を考えざるを得ない」との回答は8.7%に達するなど、消費税増税が営業破壊税であることをあらためて示すものとなりました。また「ひとこと欄」から、増税を見越した値引き強要の実態も浮かび上がっています。
 経営判断DI(総合的に見た今期の経営が「良い」「やや良い」から「悪い」「やや悪い」を引いた割合)は、▲47.9(前期▲58.5)と大幅にマイナス幅が縮小(図2)。この背景としては、増税前の駆け込み需要の影響と考えられます。特に金属製品・機械器具製造業が22.9ポイント、建設業(建設設計含む)が13ポイントのマイナス幅が縮小し、全体を持ち上げる要因となっています。

図2=総合的に見た今期の経営

 売り上げDI(売り上げが「増えた」から「減った」を引いた割合)は▲38.8(前期▲47.3)、利益DI(利益が「増えた」から「減った」を引いた割合)は▲49.6(前期▲55.8)と共にマイナス幅が縮小し、改善傾向が表れました。その一方、仕入れDIは60.1(前期60.6)と前回と比べ大きな変化はなく、燃料費や材料費の高騰が引き続き経営を圧迫していることが分かります。

 次期経営判断DI(「良くなる」から「悪くなる」を引いた割合)も、▲48.1(前期▲50.8)と前回同様厳しいものになっています。業種別には、大型公共投資により景気回復感の強い建設業(建築設計含む)が12.1ポイントマイナス幅が縮小している一方、宿泊・飲食業では8.7ポイントマイナス幅が拡大するなど、業種間で大きな格差が生じています。

 「ひとこと欄」にも、「駆け込み需要で、仕事量はどうしようもなく追われている状態だが、利益にはつながらない。4月からの仕事の見通しはまったくなし」(静岡・総合建築)、「ガソリン代が高いことに困り果てている。アベノミクスは下請け業者には関係ない。先日、近くの工務店経営者が40歳の若さで自殺した。人ごととは思えない」(大阪・土木工事)、「普通に商売して、何で当たり前の生活ができないのでしょうか」(神奈川・総合建築)など、安倍政権への強い怒りの声が多数寄せられ、退陣を求める声も少なくありませんでした。
 アベノミクスの円安で原材料などの仕入れ価格は高止まり、駆け込みの反動に加え、増税による購買力の落ち込みへの懸念から、先行き不安の声が目立ちます。4月以降消費税増税による景気の落ちこみが予想されるだけに、適切な転嫁を含め、経営対策の強化が求められます。

 〈調査方法〉
 2月中旬から3月中旬にかけて、全国の民主商工会(民商)会員1430人を対象に実施し、642人から回答が寄せられました。(有効回答44.9%)

全国商工新聞(2014年5月26日付)
 
 

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