上記は現役のセブン―イレブン加盟店オーナー・北一郎さん(仮名)の例。表左は、北さんが経営している店舗の損益計算書。表右は左の損益計算書を一般に妥当と認められる会計処理実務に基づき計算しなおしたもの(北野弘久氏が監修。1,000円以下は切り捨て)。
見ての通り、左表と右表には同じ額の売り上げが計上されている。だが、左表で「総売上原価」から、「商品廃棄損等」「棚卸増減」等が差し引かれた(6:営業費の項目に計上した)結果、原価は圧縮され、その分売上総利益が数字上は大きくなっている。これは、仮に4:「セブン―イレブン・チャージ」を支払う必要が無い場合、最終的な利益も変わるわけではない。だが、各加盟店がフランチャイズ本部に支払う「セブン―イレブン・チャージ」はあくまで3:「売上総利益」を元に計算されることから、左表の会計法では、必然的にチャージの負担額も大きくなることになる。こうして、左表と右表の「チャージ」差額はこの月だけで44万2,000円もの金額に膨れ上がる。
北さんの店は、本来ならばこの月62万8,000円の黒字を出せたはずだが、本部に支払うチャージ負担が44万円分も増えることによって、手元に残る利益は、わずか3分の1以下、18万6,000円にまで圧縮されている。
『セブン―イレブンの正体』(金曜日出版)から 本紙作成
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