全国商工新聞 第3390号2019年12月16日付
開業して40年。サラリーマンなどのお客さまが気軽に食べにきてくれるとんかつ屋です。消費税の税率が5%から8%に増税された時、値上げをしましたが、1000円の壁を超えないようにしました。しかし、今回の10%増税では2%分の値上げをせざるを得ず、980円の定食が1050円になってしまいました。
10月以降、今までになく売り上げが落ちています。赤字であれば法人税はゼロですが、消費税の納税額は年間380万円ほど。大変な負担です。赤字に加えて、増税分の負担増でダブルパンチです。
現在、3店舗を経営していますが、競争にさらされる中で工夫しないと生き残れません。
従業員の確保も頭が痛い。アルバイトを含めて50人ほどの従業員がいますが、それでもシフトの空きが出るので、家族で埋めて無休で営業しています。
赤字でも価格に転嫁できなくても売り上げが1000万円を超えれば、払わなければならない消費税は、中小業者にとってはつらい税金です。このままでは飲食業は個人経営ができない時代になってしまいます。今すぐ消費税を引き下げて、景気を良くしてほしいです。