全国商工新聞 第3389号2019年12月9日付
先代から引き継いで25年。夫婦で食堂を営んでいます。長崎ちゃんぽんや皿うどんを中心にしたメニューで、近所の会社のサラリーマンや地域の人たちが食べにきてくれています。一般家庭や建設現場などへの出前もあります。
消費税が5%から8%に増税された時、価格は据え置きました。さまざまな食材は値上がりしましたが、どうにかやりくりをして商売を続けてきました。しかし、税率10%は商売人にとって重い負担。働く人たちの賃金が伸びない中で心苦しかったのですが、10月から価格を一律50円、値上げせざるを得ませんでした。
店内飲食と出前は税率が10%、8%と異なりますが、うちでは価格を統一しました。
10月以降、一般家庭への出前が減りました。出前があっても5人分の皿うどんを頼んでいた家庭も3人分に減らして食費を節約しています。店でもセットメニューではなく単品の注文が増え、建設現場でも昼食をパンと牛乳で済ませている姿をよく目にするようになりました。
これからさらに10%増税の影響がじわじわと押し寄せてくるでしょう。
所得の低い人ほど負担が重く、中小業者にとっても営業を破壊させる、不公平な税制はただすべきです。景気を好転させるには、消費税5%引き下げが一番の対策。消費税廃止・5%に戻せの声を上げ続けたい。