全国商工新聞 第3384号2019年11月4日付
私の会社は家族経営の自動車整備と保険代理店、総菜、弁当販売をしています。10月から始まった複数税率で事務処理は混乱しています。弁当の店内飲食10%、持ち帰りと宅配の8%に区分しなければならない上、仕入れと経費も食品関係の8%と、それ以外の10%を区分するため、とても大変です。
現実的に対応できないのが実情です。そのため、せっかく作ったイートインコーナーを撤去せざるを得ませんでした。
また、仕入先との問題もあります。近所のスーパーのように、仕入先がつぶれてしまわないか、不安です。
自動車整備の方も従業員のうち数人は雇用する力がなく、外注契約で働いてもらっています。しかし、インボイス制度が導入されてしまうと、その職人たちも課税業者にさせられてしまいます。現実的には不可能であり、このままいけば、わが社も職人も共倒れになるでしょう。
経営自体が消費税によってつぶされようとしています。私の家族が生きることを否定されているように思うときもあります。
95年も営業を続け、得意先から100周年までと言われていた老舗の酒屋さんが、複数税率などに伴う設備改修費の負担に耐え切れず、店を畳むという記事が新聞に載っていました。とても人ごととは思えません。消費税を5%に戻して複数税率もインボイスもやめてほしい。