消費税10% キャッシュレス決済
ポイント還元間に合わず

全国商工新聞 第3381号2019年10月14日付

競争上不利な地位に

 消費税率10%に伴い、キャッシュレス決済・ポイント還元制度が始まりました。しかし、「経済産業省の審査が間に合わずポイント還元対象店舗に登録されていない」など初日から混乱も。「公正な競争がゆがめられており、公正取引委員会に訴えたい」と話す千葉・佐原民主商工会(民商)のFさん=小売=に聞きました。

国に集団訴訟を提起したい思い

 アマゾンは8月17日に法人、8月19日に個人事業主のキャッシュレス決済・ポイント還元業者の受付を開始し、大多数の業者が初日ないし早期に申し込みを済ませました。私も初日に申し込みを済ませました。
 本来なら、10月1日の増税初日にポイント還元対象店舗として顧客に訴求できるはずだったのですが、私をはじめ多くの業者は経産省の審査が完了せず、ポイント還元対象となれないでいる状態です。その結果、ポイント還元対象店舗として手続きが完了した店舗と、経産省の審査の遅さで完了していない店舗が、混在して不当な競争下に置かれています。
 昨日までネット上で、同じ商品を同じような価格で売っていた業者たちが、「5%還元」が付いている業者と、付いていない業者に真っ二つに分けられています。
 「5%還元」業者から399円で購入すれば、その場で5%分の20円が現金値引きされ、379円で購入できます。ついていない業者からは、399円で買うことになります。
 国による審査の遅さでスタートに間に合わなかった業者は、運よく間に合った業者に対して、価格の5%ものハンディキャップを背負わされるという、理不尽極まりない状況に置かれています。
 市場の健全な競争が、国の怠慢で完全に崩壊させられ、不当な競争への参加を余儀なくされていることに、満身の怒りを禁じ得ません。公正取引委員会に訴え、国に対して集団訴訟を提起したい思いです。

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