全国商工新聞 第3376号2019年9月9日付
懇談の冒頭に税経新人会三役へあいさつする全商連の太田義郎会長
全国商工団体連合会(全商連)は8月22日、今後の消費税闘争について税経新人会全国協議会の三役8人と懇談。全商連からは太田義郎会長、鎌田保、橋沢政實両副会長、岡崎民人事務局長、中山眞常任理事が参加しました。
太田会長は、10%への増税で商売を続けられるのかと不安が広がっていると指摘。複数税率・インボイスが中小業者に与える苦痛にも触れ「今からでも遅くはない。消費税の引き上げを断念させ、複数税率・インボイスは廃止させる大きな運動を共同してやっていきたい」とあいさつしました。
橋沢副会長は「最後の最後までたたかう覚悟。このまま次の世代に渡すわけにはいかない」と強調。鎌田副会長は「高齢の業者はやめてしまう。伝統的な技術の損失にもつながる」と訴えました。
税経新人会の土屋信行理事長は、会の目的として憲法を擁護することを掲げていると話し、「税金の原則は応能負担。逆の立場にある消費税は断固反対」と述べ、複数税率の区分について、クライアントや会の税理士から相談が相次いでいると話しました。
金巨功副理事長は「10%になれば、税務署員が法人税や所得税で取れなくても、消費税で税収を稼ぐ徴収マシンになる」との可能性を示唆。竹内克謹副理事長は、顧問先の消費税額試算で免税の一人親方と取引関係のある建設業者の負担が、インボイスの導入で約200万円増えることを話し、「『負担できないが、納税義務者になれとも言えない』。経営をどうするか、差し迫った問題になっている」と話しました。
全商連は「消費税率引き下げと複数税率・インボイス制度の即時廃止」を求める立場で、共同行動に応じていただくことや「10%対策・網の目学習会運動」への講師派遣を要請しました。