消費税増税学習会
負担増え実務複雑に

全国商工新聞 第3372号2019年8月5日付

記帳方法を知りたい

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複数税率、インボイスを学び、さらに学習を深めることにした鈴鹿民商

 三重・鈴鹿民主商工会(民商)は7月16日、「消費税の増税に伴う複数税率の基本的な学習と、インボイスについての学習会」を開催し、30人が参加しました。
 講師は名張民商の杉本秀逸事務局長。はじめに、消費税の基本的な仕組みについて説明し、「消費税導入の平成元年から、景気は下がる一方」などの問題点を指摘。複数税率の10%と8%の判定基準の複雑さを問題形式で説明しました。
 また、インボイス制度導入による影響について、インボイスが発行できない免税業者との取引では、消費税の負担が大きくなることを実際に計算して説明。「すべての自営業者が巻き込まれる」と強調しました。
 参加者から「分かりやすかった」と感想があったものの、「複数税率になった場合の記帳方法についても聞きたい」「時間が足りなかった」などの意見も出されました。今回、質疑応答の時間が取れなかったことや都合が付かず参加できなかった会員から「またやってほしい」という要望もあり、増税が予定されている10月までに、勉強会を開くことを計画しています。

イートインに悩みも

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本庄民商が開いた消費税学習会

 埼玉・本庄民主商工会(民商)は先ごろ、消費税学習会を開き、会内外から30人が参加しました。講師の税理士が複数税率やインボイスの仕組みなどを分かりやすく説明。参加者からはさまざまな疑問や不安の声が上がりました。
 地域でも人気のパン店を営むIさんは店の外にイートインコーナーを設置しているため頭を痛めています。
 「同じパンでも持ち帰り(8%)とイートイン(10%)で食べるのでは税率が違ってくる。近くのパン屋さんではイートインコーナーを撤去しているところもあり、うちはどうするのがいいのか迷っている。せっかくお客さんに喜んでもらっているので、なくすと寂しくなる。でも、どれを食べて、どれを持って帰るのかと、レジでの仕分けも実務も大変になる。複数税率に合わせてレジも変えないとダメなのかな?」と悩んでいました。
 大工のNさんは「工期が10月をまたぐものは、請求はどうするの? 実施されていないのに10%で請求してよいものか?」と質問。講師は「工期が9月末であれば8%、10月以降であれば10%で請求する」と説明。「10%への増税が中止になった場合、インボイスが導入されないのか?」との質問に対しては「増税が中止になればインボイスも当然、導入されない」ときっぱり答えていました。
 金澤利行会長は「消費税は所得のない子どもから、大富豪の人まで同じ税率で逆進性が強い不公平な税制。国民が最低限度の文化的な生活を営む憲法理念に反する税金。署名を集めて増税を阻止しよう」と呼び掛け、参加者全員が署名に応じていました。

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