ストップ！ネット
呼び掛け人がビデオメッセージ
全国商工新聞 第3356号2019年4月8日付
増税中止の共同を
「10月消費税10％ストップ！ネットワーク」が3月20日に開いた署名提出集会に寄せられた、呼び掛け人のビデオメッセージを紹介します（動画は同ネットホームページで配信中）。
巨大企業への適正課税を
中央大学名誉教授 富岡 幸雄さん
まず、言いたいのは消費税に頼らない税の運用です。消費税以外に財源はあります。法人3税（法人税、法人住民税、法人事業税）の実効税率は29.97％です。しかし、私が2018年3月期の決算で調べたところ、実際に払っている実効税負担率は17.59％で、6割弱しか払っていません。一番低いのは連結法人の8％、実効税率の3分の1です。これを是正することが先です。
国家財政が1000兆円を超える赤字をつくって誰が繁栄しているか。巨大企業です。国家を超えて企業が大もうけをしています。多国籍企業ではなく、国籍不明の無国籍企業になっています。
日本国内は空洞化して疲弊し、残っているのは中小企業と一般庶民ですよ。所得税や法人税の財源がないから消費税になったわけでしょう。よその国に税金を上納したり、タックスヘイブンに蓄積したりしている巨大企業にまともに税金を払ってほしいです。実効税率29.97％のうち29％ぐらい払えば法人税税収は倍になり、20兆円を超えます。所得税の最低税率は5％、消費税は8％。消費税の税率が所得税より高いなんておかしいんじゃないですか。ありえないですよ。
平成元年に消費税が導入され、税率が2回引き上げられました。平成の時代は消費税で汚されました。これから新しい年号になります。新しい日本を迎える冒頭を消費税増税で汚さないでほしい。新しい世紀は消費税引き下げで飾ってほしい。これが私の願いです。
困っている人見過ごさず
タレント 室井 佑月さん
私は10月からの消費税引き上げに大反対です。私たちはいつも現金引き出し機（ＡＴＭ）のように使われるばかりでいいのでしょうか。ＡＴＭは壊れたら捨てられてしまいます。最近は壊れたら捨てられるモノみたいに、私たちの価値が下げられているような気がします。
なんでいつも国民だけが、痛みを真っ先に受け入れなくてはならないのかが分かりません。今、この国は格差が広がっています。消費税は貧しい人たちが一番苦しむ税だと私は思っています。アメリカから武器の大量購入をしていますが、そんなお金があれば子どもたちの貧困対策に使ってほしい。どちらが大事かは誰でも分かることだと思います。
安倍さんは消費税を引き上げる時、福祉に使うと言っていましたが、税金の使い道を調べると、アメリカから武器をリボ払いで買ったりして、使われ方がウソだった、約束と違っています。そういうことを国民の一人ひとりがしっかり見ていかなければならないと思っています。
ここ数年の税収を見ると、金額自体は変わっていません。消費税が上がった分だけ大企業の法人税が少なくなっているのです。大企業は適切に税金を払うべきです。貧しい人たちが一番苦しむ消費税を無理やり取るべきではないと思います。格差がどんどん広がっている中で「今、自分は大丈夫」と思って、困っている人たちのことを見過ごしてはいけない。良識ある大人が声を上げてほしいと思います。
