消費税10% 影響は深刻・中止に
業界懇談・名刺交換会

全国商工新聞 第3352号2019年3月11日付

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あいさつをする住江憲勇代表幹事

 全国中小業者団体連絡会(全中連)は2月22日、東京都内で「消費税増税に関わるわが業界の課題」をテーマに2019年業界懇談会・名刺交換会を開き47人が出席しました。
 太田義郎代表幹事(全国商工団体連合会会長)は「増税を前にすでに値上げの動きが相次いでおり、物価が上がり始めている。圧倒的な関心事になっている消費税問題をテーマに情報交換を図りたい」とあいさつ。
 第一部では、「10%ストップネットワーク」の呼び掛け人でもあるジャーナリストの斎藤貴男氏が、「消費税増税に反対する理由」と題して講演しました。斎藤さんは自らのフリージャーナリストとしての体験も交え、「消費税はいつも弱い立場にあるものがより多く負担することを強いる『不公平きわまりない税制』」であることを分かりやすく解説。「このまま税率が引き上げられると格差社会が広げられ、中小零細業者がつぶされ、シャッター通りが拡大する。社会全体を変えていく恐れがある消費税増税をなんとしてもストップさせる必要がある」と強調しました。
 第二部では、各参加者からも、複数税率やポイント還元など増税に伴う業界への影響などについて、発言が出されました。
 NPO法人建設政策研究所の市村昌利専務理事は、「税率が上がると、雇用より安くつく外注化が進み、一人親方など非正規雇用が拡大する」と述べ、重層下請け構造のなかで中小企業や一人親方の経営をどう守るかが課題だと報告。全国FC加盟店協会の植田忠義事務局長は「本部、加盟店オーナーから増税賛成の声はひとつも聞かれない」と発言。本部は、複数税率に対する設備投資が迫られる上、キャッシュレスの問題では、「カード会社への手数料の差は力関係で決まり不公正」と指摘しました。中小建設業制度改善協議会の星野輝夫会長は「工務店業界の仕事は減っている。インボイス問題で500万の非課税業者や5人以下の設計事務所、一人親方が取引から排除される」と憂慮します。
 株式会社きかんしの佐藤操代表取締役社長は、スマホやタブレットによるデジタル化が進み新聞全体の発行部数が4000万部を下回り「印刷・紙業界では値上げ幅が10%~20%と、かつてない状況」と述べ、株式会社サントロぺ・井澤秀年代表取締役は美容業界の深刻な人手不足について報告しました。
 住江憲勇代表幹事(全国保険医団体連合会会長)が閉会あいさつをしました。
 続く名刺交換会で、参加者は和やかに懇親しました。

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