課税業者になれば15万円の負担増に
麻生財務相が回答

全国商工新聞 第3352号2019年3月11日付

日本共産党・宮本徹議員 「軽減」税率撤回求める

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 インボイス制度の導入によって免税業者が課税業者になった場合、粗利、利益が150万円程度(課税売り上げ550万円程度)で15万円もの消費税を負担しなければならないことが明らかになりました。2月26日の衆院財務金融委員会で宮本徹議員(共産)の質問に対して、麻生太郎財務相が答えたもの。宮本議員は「消費税を価格に転嫁できなければ大変な負担になる。どうやって納めるのか」と追及し、星野次彦主税局長は「事業者が価格に転嫁できるようしっかりと対応したい」と質問をはぐらかす答弁を繰り返しました。
 宮本議員は「転嫁できない事業者は身銭を切って納めなさいというのは税のあり方として根本的に間違っている。増税によって(売り上げが)1000万円以下の事業者では消費税が転嫁できる見込みがないのは約5割を占めている(日本商工会議所アンケート)」実態を突き付けました。
 さらに免税制度についても言及し、「そもそもなぜ、制度が設けられたのか」と質問。うえの賢一郎財務副大臣は「中小事業者の事務負担に配慮し、実務簡素化のために設けられた」と答弁しました。ところが、政府はインボイス制度の導入によって488万者の免税業者のうち、161万者が課税業者に転換すると見込み、それによって増収になる2480億円を‘軽減’税率の財源に充てようとしています。
 宮本議員は「中小事業者の実務負担を配慮して法律で定められた制度によって消費税が免税だった事業者が、インボイス制度の導入によって課税業者にならざるを得なくなり、価格に転嫁できなくても身銭を切って納めよというのは生業を営む権利を踏みにじるもの」と厳しく批判。‘軽減’税率の撤回を求めました。
 また、政府が景気対策として打ち出しているポイント還元に関わって、宮本議員は「政府が旗振りすることによって、現金商売を続けようとするとお客を奪われ、キャッシュレス決済を導入すれば、手数料や維持費がかかって利益が減りかねない。無理やり税金を投入して、業者に選びようのない“地獄の二択”を業者に突き付けるようなことはやめるべき」と政府をただしました。

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