全国商工新聞 第3347号2019年2月4日付
怒りのコールを上げながら、消費税増税中止を訴えたサウンドデモ
「暮らしを壊す増税中止」「兵器を買うなら増税するな」「業者の営業つぶさせないぞ」-。1月26日、東京・JR池袋駅周辺に怒りのコールが響き渡りました。「10月消費税10%ストップ!ネットワーク」が呼び掛けたサウンドデモです。100人が参加しました。
「消費税が兵器の爆買いに使われようとしている。消費税は子どもたちからも集めているでしょう。そんなの許せない」と怒るのは東京都杉並区の土田絹子さん。新聞でこの日の行動を知り、駆け付けました。「10%増税は絶対中止」と元気にコール。豊島区で税理士事務所を経営している乾川日出夫さんは「中小業者の営業は本当に厳しい。これ以上消費税が上がったら営業はやっていけなくなる。軍事費を増やすなら国民の暮らしや中小企業の経営を守るために予算を使うべき」と声を上げました。
出発集会では呼び掛け人の醍醐聰・東京大学名誉教授が「大企業は研究開発費減税などさまざまな優遇を受け、法人税は15%ほどしか払っていない。株でもうけた高額所得者も優遇されている。不公平な実態を知らせよう」と訴え。住江憲勇・全国保険医団体連合会会長は「病院の窓口で払う医療費を気にして受診をためらう人や中断する人が後を絶たない。いま、増税すれば経済も暮らしもズタズタになる。全国から怒りの声を上げよう」と呼び掛けました。日本共産党の宮本徹、自由党の日吉雄太両衆議院議員が激励に駆け付けました。
「10%ストップネットワーク」は映画監督の山田洋次さんやタレントの室井佑月さんら10人が呼び掛け人となって結成されたもの。北海道や岩手、前橋、京都、岡山、島原などでもストップネット結成の動きが広がっています。
「10%ストップ!前橋ネット」発足の記者会見を行う大野豊文・前橋民商会長(左から2人目)ら
10月の消費税10%増税中止の一点で共同する「10月消費税10%ストップ!前橋ネットワーク(10%ストップ!前橋ネット)」が1月22日に発足し、24日に群馬県庁内で記者会見を開きました。飯沼洋子・税理士、大野豊文・前橋民主商工会(民商)会長、岸弘子・新日本婦人の会前橋支部長、古屋耕平・社会保険労務士、土屋富久・社会保険労務士、角田義一・元参議院副議長・弁護士、八田直樹・前橋市消費者団体連合会会長、山田博文・群馬大学名誉教授・商学博士の8氏を呼び掛け人として結成したもの。
角田弁護士が「広く市民に訴えて、消費税10%引き上げを阻止する市民運動を展開したい」とあいさつしました。前橋民商の大野会長が、賛同人1000人を組織し、署名運動を進めるとともに、学習会やシンポジウムなどを開催するなどの活動内容を説明。「業者団体の一人として、商売を守るためにも、地域経済を守るためにも、なんとしても消費税10%増税を中止させたい」と訴えました。山田名誉教授は「消費者の懐を痛めるような消費税増税は、深刻な日本経済の不況を加速させる」と指摘。「国民的な声として、『NO!』という意思表示をすることが、日本経済の安定的な成長のためにも、非常に重要なポイントである」と話しました。
前橋市を中心に、全県で活動することを表明。統一地方選挙、参議院選挙についても、運動を広げる中で、同じ趣旨の政党との協力もあり得ると話しました。
対話の輪が広がり、増税中止の署名が寄せられた埼玉県婦協の署名宣伝行動
「消費税10%への増税は絶対反対」「諦めずに声を上げよう」-。埼玉県連婦人部協議会(県婦協)は1月23日、JR大宮駅前で消費税10%増税中止を訴える署名宣伝行動に取り組み、1時間で112人分の署名が寄せられました。シール投票も好評で、93人のうち増税反対は84人と圧倒的でした。
行動には県内の民主商工会(民商)婦人部から30人が参加。そろいのピンクのリボンを巻いて元気に行動しました。
「消費税は、本当に社会保障に使われているの?」「財源は本当にないの?」と書いたプラカードには、社会保障改悪の実態や、軍事費が増えているグラフを示して訴えました。
外国人や若者も「消費税が上がらないように」と次々に署名。「増税には反対だけど、決まっているんですよね」と話し掛けてきた人には「署名の力で過去2回にわたって延期させたんですよ」と訴え。中には「増税に反対だけど、署名しても変わらないでしょう?」と言う人もいましたが、「諦めずに声を上げないと、余計ひどくなりますよ」と話すと署名に応じてくれました。
行動初参加で役員になったばかりの岩槻民商婦人部の早河和子さん=葬祭=は「署名はそんなに集まらないのかと思っていたけれど、たくさんの人が署名をしてくれてびっくり。『10%どころか30%に上げないと自分たちが生活できなくなる。消費税増税は必要』と言う女性もいた。もっと学習して消費税は社会保障のために使われていないことを短い時間で伝わるようにしたい」と話していました。