全国商工新聞 第3342号2018年12月24日付
全国商工団体連合会(全商連)は12月15日、「与党『税制改正大綱』に抗議し撤回を求める」とする岡崎民人事務局長の談話を発表しました。消費税率10%への引き上げを大前提にしたものであり、容認できないと抗議しています。
消費税率10%の引き上げで1世帯当たり約8万円、国民1人当たり3万6000円の負担増になると指摘。消費税増税後、オリンピック特需が終焉し、「働き方改革」によって最悪8兆円規模で労働者の所得が縮小するといわれ、米中の貿易戦争など世界経済の先行き不調による輸出減少も危惧されている下で、消費税10%への増税を強行すれば国民生活も景気も大打撃を受けると指摘しています。
また、住宅や自動車減税、キャッシュレス決済でのポイント還元、プレミアム付き商品券などの景気対策についても費用は2兆円を超えると報じられており、「増税のために税金を使う」のであれば、増税する意味はないと抗議。低所得者のための軽減税率は1兆円軽減されても、国民1人当たりでは月額660円程度にすぎないこと明らかにしています。
さらにインボイス制度は免税事業者を取引排除の危機にさらすだけでなく、免税点制度を無力化し、売上高1000万円以下の小規模事業者に新たな消費税負担を押し付けるものと批判。民商・全商連は、「10%ストップ!ネットワーク」の呼び掛けに応え、消費税の増税中止実現に全力を挙げるとともに、「納税者の権利宣言」(第5次案)で示した、あるべき税制・税務行政の実現に向けて奮闘する決意を表明しています。