消費税10%中止迫ろう 1点で幅広い共同を
国会集会に270人

全国商工新聞 第3339号12月3日付

Photo
参加者で会場をいっぱいにした各界連の国会内集会

 全国商工団体連合会(全商連)も加盟する消費税廃止各界連絡会(各界連)は11月21日、消費税10%増税の中止を求めて国会内集会を開催し、北海道から九州まで270人が参加しました。消費税に頼らない財源提案や韓国の税制視察、各地の取り組みが報告されました。連帯あいさつを行った日本共産党の宮本徹衆議院議員に、増税中止を求める署名7万3801人分を手渡しました。集会の前後には財務金融委員を中心に議員要請も行いました。

 全商連の太田義郎会長は「安倍首相は10%への増税宣言をした。免税業者は課税業者になるか廃業するしか道がなくなる。『10%への引き上げ反対』の1点で多くの人と共同を広げ、国民的な運動を盛り上げていきたい」と開会あいさつをしました。

財源提案も学び

Photo
増税中止の思いが込められた署名を提出

 菅隆徳税理士が「消費税に頼らない財源提案」と題して講演。大企業主要20社の法人3税の負担率(2017年度)を示し、法定実効税率の平均が30.8%に対し、実際の負担率は平均13.5%であると指摘。大企業優遇税制を廃止し、法人税に所得税並みの累進税率を導入した場合、税収が19兆円増えるとしました。「『消費税増税は中止』『大企業に応分の負担を求めよ』の声を上げ、来年の参議院選挙で、市民と立憲野党の共通政策となるよう働き掛けることが必要だ」と訴えました。
 湖東京至税理士が不公平な税制をただす会で行った韓国の税制視察の報告を行いました。韓国の付加価値税(日本の消費税に当たるもの)について、(1)1977年の導入以来10%の単一税率(2)生鮮食料品や水道料金、新聞などは非課税(3)税務署の調査担当職員が少なく、付加価値税の税務調査が少ない-の3点を紹介。一方で、付加価値税が税収第1位の歳入構造であることや、電子インボイスが普及し、事業者の売上高を把握した税務署が作成した「記入済申告書」が利用され、申告納税制度を崩壊させていることなども紹介。韓国のようにさせてはいけないと強調しました。
 各界連の中山眞事務局長が行動提起。当面する行動として、(1)「2019年10月からの消費税10%中止」1点での幅広い共同を進める(2)宣伝・署名・対話を一気に広げる(3)統一地方選挙、参議院選挙を念頭に、政党・会派、議員・候補者への要請を強める-の3点を呼び掛けました。

怒りの実態告発

 活動報告では、「食料品8%のジャガイモでも種芋は10%。牛や豚は、屠畜場に行くまでは10%で、枝肉になると8%。同じ花でも食用菊もある。生産者の中でも自分で作ったものが8%か10%か分からない」(農民連)、「政府が打ち出すクレジットカード決済のポイント還元だが、スナックのカード決済の手数料は7%。14人で来店し、カードで支払うと、1人分の売り上げがとんでしまう。私が経営するスナックのカード使用割合は5~10%。半年でも制度が実施されて、カードで支払いをされるとひどいことになる」(京都)などの実態が報告されました。
 消費税をなくす会の木口力事務局長が閉会あいさつ。「消費税増税を中止させれば、複数税率もインボイスもなくなる。安倍政権を倒せば、増税も9条改憲も阻止できる。ここにお互いに確信を持って、全国で頑張ろう」と訴えました。

ページの先頭