全国商工新聞 第3334号10月29日付
全国商工団体連合会は15日、「安倍内閣の消費税増税方針に断固抗議し、その撤回を要求する」事務局長談話を発表しました。
安倍内閣が臨時閣議で2019年10月から消費税率を10%に引き上げる方針をあらためて明らかにしたことに抗議し、撤回と増税中止を要求しています。
同時に、住宅や自動車の購入を促す給付金や減税、小売店のキャッシュレス決済に対する2%分ポイント還元などの「景気対策」を指示したことを批判。「新たな増税のために巨額の税金を使うこと自体、天下の愚策であり、時限的かつ部分的な措置は消費への影響は帳消しにはできない。本気で景気対策をいうのなら、消費税率の引き上げを中止すべき」と訴えています。
さらに一部の商品を8%に据え置く複数税率は大手新聞社や流通大企業の消費税負担を「軽減」する制度で消費税率が上がるほど、輸出大企業への還付金が増える仕組みも温存されると批判。
その一方で「中小業者は税率引き上げに加え、複数税率・インボイス制度の実施によって財政・実務両面の負担増を強いられる。インボイス制度は約500万もの免税業者に取引排除をもたらす許しがたいもので、『課税業者が増え3500億円の増収』と政府が試算しているように、免税点制度を無力化する仕掛けである」ことを明らかにし、広範な業界団体は反対していることを強調しています。
「莫大な利益を積み上げ、425兆円もの内部留保を蓄える大企業や、安倍内閣の金融緩和策によって大もうけを上げている富裕層に応分の負担を求めれば消費税増税は必要ない」と強調し、「民商・全商連は、増税中止の共同と宣伝・対話、議会請願などの行動を広げ、圧倒的な反対世論で安倍政権を包囲し、消費税の増税を中止するため全力を挙げる」ことを表明しています。