消費税増税、複数税率・インボイス導入で
学習会=京都・伏見民商
「知らなかった」驚きの声 大量宣伝で反響広げ
伏見民商神川支部主催のインボイス学習会
京都・伏見民主商工会(民商)神川支部は7月14日、学習会「複数税率・インボイス導入で商売、確定申告はどうなるか」を開催しました。来年10月の消費税10%引き上げ時に導入が狙われるインボイス(適格請求書)をテーマにした支部主催の学習会は、京都府商工団体連合会(京商連)で初めて。ビラを見て参加した会外の2人を含め、19人が参加しました。
不安に応えて入会者も
講師は、協同組合京都府商工業者連盟(経理センター)専務理事の佐藤学さん。消費税納税額の基本的な計算方法や、国税庁の「インボイスQ&A」を解説しました。司会担当は太田和男支部長(伏見民商常任理事)。
参加者の中には「インボイス制度の中身を初めて知って驚いた」という人も多く、次々と質問が出ました。
「簡易課税を選択しているが、簡易課税制度はどうなるのか?」の質問に対して佐藤専務理事は「業種ごとに『みなし仕入れ率』を適用して計算していた従来の簡易課税制度は廃止の方向」と説明しました。
また、「免税業者の場合、メーカーから仕入れをしたらインボイス(領収書)を発行しないといけないのか?」「下請けで内職している人や大工の一人親方など、免税業者でも、相手が課税業者の場合、インボイスで請求しないといけないのか?」などの質問も。「免税業者はインボイスが発行できない。免税業者同士の取引の場合はインボイスは必要ないが、取引先が課税業者の場合、インボイスの発行が求められるので、免税業者は課税業者になることを求められる」「インボイスが発行されなければ、課税業者は消費税の仕入税額控除ができなくなるので、免税業者は商取引から排除される可能性がある」などの問題点を明らかにしました。
初めて参加した会外業者=建築=も「また学習会に参加したい」とのこと。太田支部長は「会外の人にもっとたくさん来てほしかったが、会員でもインボイス制度を知らない人が多い。引き続き学習会を開いていきたい」と語りました。
学習会の後、「ビラを見たが学習会に参加できなかった」という建築業者から電話が入り、「独立して間もなく、申告の仕方もよく分からない。大手リフォーム会社との取引から排除されるのではないか」と不安を感じていました。その後、相談する中で、民商に入会しました。
学習会に先立ち、支部役員会で議論して分担も決め、参加を呼び掛けるビラ9000枚を準備。会員のポスティング業者に依頼し、支部担当地域の全戸にビラを配布しました。