地方税
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推計課税1513万円はね返す
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山口・岩国民商会員
仲間の知恵と激励で |
山口県岩国市で飲食店を営む木本茂さん(仮名、青色申告)は、岩国税務署からまったく根拠のない1513万円もの推計課税を強要され、岩国民主商工会(民商)に相談して解決。「まったくでたらめの税務調査で廃業させられるところだった」と怒りを表明しています。
常軌逸した調査
昨年9月から始まった木本さんへの税務調査は最初から常軌を逸するものでした。事前の連絡なく同税務署の署員2人が来店。「税務調査に来た」と告げ、店内や自動車の中まで調べ回り、長時間にわたって聞き取りした上、内容を確認する署名まで強要。まだ申告していない05年分の帳簿などの資料を持ち帰りました。署員は「この所得で自宅マンションを買えるはずがないし、息子のマンションも買ってあげたのではないか」「預金を隠しているはず」と決めつけ、世帯が別になっている子ども2人の通帳まで反面調査を強行。
署員は1カ月の売り上げから現金支出、銀行口座への入金、生活費を差し引いた分が売り上げ漏れであるとの独自の推計方法に固執し「1日2万円の売り上げ漏れがあり、7年さかのぼり所得税450万円、消費税360万円、その他加算税含め、合計1117万円、地方税合わせて1513万円になる」と、計算書を示して修正申告を迫りました。顧問税理士は「私が頑張ってこの税金になった。これ以上の交渉はむずかしい」と突き放し、木本さん夫婦は「最初から偏見や先入観を持って調査にあたっている。絶対ありえない数字。頭が真っ白になった。なぜ税理士は自分たちを守ってくれないのか腹が立って仕方がなかった」といいます。
入会し抗議行動
木本さんは民商会員の友人に紹介され2月、岩国民商に入会。民商では対策会議を開き、木本さんとともに請願書を提出し、「強引な調査や一方的な推計に納得できない」「青色申告なのだから帳簿書類に基づいてどこが問題なのか明らかにせよ」「家族の預金まで調査したのはなぜか」と抗議し、調査のやり直しを要求。奥さんは心情を綴った手紙を出すなど抗議行動を展開しました。
署員の態度変化
こうした活動の結果、3月13日、「もう一度、帳簿や資料などに基づき話し合いたい」と署員の態度が大きく変化。調べるなかで、税務署の推計の根拠がまったくでたらめであり、売り上げが正しいことを認めざるを得なくなりました。木本さんは「私の所得計算を信じてくれたのは民商だけ。民商の励ましや知恵があったからこそたたかえた」と喜びを語っています。岩国民商では、納税者自身が権利を自覚し、仲間とともにたたかえば、どんな不当調査もはね返すことができることをもっとアピールしようと話し合っています。 |
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