全中連・中小業者決起大会に1200人

全国商工新聞 第3349号2019年2月18日付

安倍政権退陣を 議員要請で共闘の広がり実感

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自民党本部前をデモ行進し「消費税10%増税は中止に」とアピール

「10月の消費税増税は私たちの力で止める」―。全国中小業者決起大会が6日、東京都内で開かれました。主催は全国中小業者団体連絡会(全中連)。「消費税10%は中止に!改憲やめよ!中小業者を支援し循環型経済で景気回復を」を揚げ、全国から1200人が集結し、10%中止を求める署名など26万3000人分が持ち寄られました。「毎月勤労統計」不正により消費税増税の根拠が崩れる下、「中小業者つぶしの安倍政権は退陣を」と声を上げ、議員要請やデモなど多彩な行動を展開しました。

署名手渡し懇談

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自由党の森ゆうこ幹事長(左から4人目)に署名を渡す新潟からの参加者

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立憲民主党の矢上雅義衆院議員(右)と懇談する参加者

 消費税10%中止を求める市民と野党の共闘の広がりが感じられたのは、午前中の国会議員要請行動。この日までに集めた署名を手に、参加者は地元選出議員を訪ね、中小業者の経営を破壊する消費税増税と複数税率・インボイスの導入中止を迫りました。
 新潟県上越市などからの参加者6人は、森ゆうこ参院議員(自由党幹事長)に1500人分の消費税増税中止を求める署名を手渡しました。Оさん=化粧品販売、Tさん=ビルメンテナンス、Nさん=建設=らが「若い事業者が頑張れるような施策を」と要望。森議員は「みんなが笑顔でいられるような環境にしなくては。でたらめのアベノミクスで、増税なんてもってのほか」と力を込め、「野党議員で協力して統計偽装の証拠を突き付けている。安倍独裁の状況を変えなくては」と話しました。
 Nさんは「消費税10%とインボイスは、開業したばかりの若手事業者の商売の芽を摘むことになる」と危機感を高め、Tさんは「地域から政治の流れを変えたい。消費税増税は止められると確信している」と手応えを感じていました。

改憲ノーも一致

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共産党の紙智子参院議員(左)に署名を手渡す北海道の参加者(中央)

 熊本県八代市のHさん=露地栽培=らは、矢上雅義衆院議員(立憲)に要請。「消費税増税中止」と「安倍9条改憲NO!全国統一署名」の紹介議員になりました。
 矢上議員は、統計偽装問題に触れ「統計の信頼はゼロ。増税の根拠がなくなった。『増税が必要』という人にも、『今、上げるべきでない状況』と言う時だ」と主張。ポイント還元やキャッシュレス決済について「無駄使いの政策」と批判し、憲法についても「変える必要はない。衆参の憲法審査会で議論する必要もない」と明言しました。
 北海道北見市のMさん=服飾・飲食=は、紙智子参院議員(共産)に、消費税10%への引き上げ中止を求める署名を手渡しました。「1万円の商品で1000円の消費税が上乗せされると、お客さんの負担が重すぎて財布のひもがギュッと締まってしまう。10%分をかぶると商売は成り立たない」と訴え。紙議員は「大変な実情はよく分かる。請願署名をしっかりと受け止め、増税中止を要求していきたい」と奮闘を誓い、「10月からの10%増税中止という一点で、野党は結束。国会の内外で力を合わせましょう」と激励しました。
 また、兵庫・伊丹市の参加者は、桜井周衆院議員(立憲)を訪ね、「消費税が一度で払いきれない」と生の声を伝えると増税中止に理解を示しました。神奈川からの参加者も、10月からの消費税増税に反対する串田誠一衆院議員(日本維新の会)、青柳陽一郎衆院議員(立憲)、真山勇一参院議員(立憲)らと懇談しました。

決起大会 中小業者支援を要求

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「中小業者の要求実現を」と「団結ガンバロー」を三唱する参加者

 午後からは、砂防会館で決起大会。中小業者の経営を守れと切実な要求を訴える参加者の熱気があふれました。
 太田義郎代表幹事(全商連会長)が主催者あいさつ。「政府がアメリカから大量に買おうとしているF35戦闘機は、約16機分で中小企業予算と同じ。軍事に金をかけず、法人税の累進課税、富裕層への適切な課税強化を行えば、消費税の増税を止められるし、税率を下げることもできる」ときっぱり。「国はマイナンバーとインボイスで国民と事業者を100%管理することをめざしている。憲法改正、増税、インボイス導入をやめろ!の声を街に響かせよう」と力を込めました。

たたかいを交流

 決意表明では6人が登壇し、発言。住江憲勇・全国保険医団体連合会会長は「大企業の社会保障負担を限りなくゼロにする安倍政権のやり方は国民を愚弄している」と怒り。庄司正俊・全国FC加盟店協会会長は、国民の可処分所得が減少し、コンビニ、大手スーパーやドラッグストアでも売り上げが下がっている現状を告発しました。
 広島の参加者は西日本豪雨の災害復興について、静岡・浜松の参加者は水道の民営化問題、京都からは消費税増税反対のネットワークの広がりを発言。沖縄の参加者は「2月24日に行われる辺野古新基地建設を問う県民投票では、反対の圧倒的な民意を示す」と話し、拍手に包まれました。「消費税10%中止!複数税率・インボイスやめよ」「医療・介護・年金の改悪反対!患者負担を軽減せよ」「憲法を守れ!辺野古新基地建設を断念せよ」など7項目を要求する決議を大きな拍手で確認。「団結ガンバロー」を三唱した後、そろいの法被や帽子、プラカードを手に、請願デモを行いました。
 来賓として、小田川義和・全労連議長と山下芳生参院議員(共産)があいさつ。山下議員は「5党1会派の党首会談で、安倍政権を倒すため、夏の参院選一人区で候補者の一本化を図ることを合意した。消費税増税中止の皆さんの声で後押しを」と呼び掛けました。

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