全中連
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業種、世代を超えて交流 共同の力に確信
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全中連 業者懇談会・名刺交換会 |
「動けば変わると実感した」「共同でとりくんでこそ力になることが分かった」‐全国中小業者団体連絡会(全中連)が4月14日、東京で開いた8回目の業者懇談会・名刺交換会には多彩な分野から業種、世代を超え、60人が出席。中国視察の報告もおこなわれました。中小企業無視の悪法や規制緩和の推進などと立ち向かい、営業と暮らしを守るため、先進を切って奮闘している姿や中小企業の課題などを交流。循環型社会を切り口とする若い経営者が多数出席し、活発な意見交換をおこないました。
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「平和と中国経済の視察」について報告する永山日大教授(左) |
岡崎民人事務局長(全商連事務局長)の司会で始まり、国分稔代表幹事(全商連会長)が「弱肉強食の構造改革で中小企業は01年から50万社減った。声を上げ、人間復権の経済の確立のためにたたかうことが大切になっており、今何をなすべきか意見交換を」と主催者あいさつをしました。
中国視察報告を永山利和日本大学教授と谷野洋幹事(全商連常任理事)がおこないました。全中連の中国視察は45年ぶり。目的は、中小企業促進法を中心とした新たな政策展開の調査・研究と、東沿岸都市部の経営実態の視察、戦後60年の節目にあたることから中国侵略戦争の歴史に学ぶこと。報告では、中国では、自営業者の存在が憲法で保障され、位置づけの変化に伴い憲法が改定されて、憲法が経営促進になっていることや、中小企業の発展を重視するようになった背景などに触れ、国民が国のあり方に意欲的にかかわっている状況が紹介されました。
社会貢献に意欲 業界の健全化へ
懇談会では、意欲的なとりくみで、社会貢献にさまざまな形でこたえている話が出されました。
「日本と中国の企業視察のサポートなどで、両国のかけはしに」と発言したのは王強・泰山国際(株)代表取締役。
エクアドルのコーヒーなどの適正価格取引商品の販売プロジェクト、スローウォーターカフェ(有)代表の藤岡亜美さんは、パワーポインターを使って説明。全員、コーヒーを試飲しながら聞きました。
藤岡さんは「森と共生する現地の人の生き方に共感。コーヒーの販売で開発をストップし、生活するという、自然に適応していく生き方を支援している」と発言。「憲法9条のような生き方を」と、9の字を染めたオーガニックコットン(無農薬栽培の綿)のTシャツの販売にもとりくんでいました。
健全な業界にするために活動したいと訴えた竹中一雄・全国FC加盟店協会会長は「規制の法をぜひ」と発言。堀田正典・日本イラストレーター協同組合発起人代表は、「一人企業」も多い業界の実情とともに、権利を守るため、組合設立を準備していると発言。
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「若い人の行動力が運動を引っ張った」「いろいろ学んだ」など話が弾む国分会長(左から2人目)と若い経営者たち |
悪政とたたかう諸分野の運動も
政府の攻撃とたたかうとりくみを報告したのは、住江憲勇代表幹事(全国保険医団体連合会会長)。「医療制度改悪の総仕上げが連休明けにも狙われ、これでは社会保障制度そのものがなくなる」と訴えました。星野輝夫・受注連建設事業協同組合理事長は、政府が、大手の住宅市場を拡大する「住宅基本法」の成立を狙っていると指摘し、「一つの業界じゃ対抗できない。広い共同を」と強調しました。
埼玉県商工団体連合会(県連)の菊池大輔会長は耐震強度偽装問題に触れ、現場を大切にする中小業者の優位性をアピール。瓜田靖・中小企業家同友会事務局主任は「同友会は昨年4桁を増勢、来年まで5万人をめざす。金融政策にアセスメント法制定運動で、声を反映させた」と強調。市原芳夫・(株)富士国際旅行社代表取締役は、価格破壊で中小企業が生き残れるか瀬戸際と、深刻な状況を報告しました。
下向磐・日本書店商業組合連合会理事は、廃業や再販制度への公正取引委員会の不当な攻撃など苦難も多いが、子どもの読書推進運動は展望があると発言しました。
全商連と一緒にとりくんだから
4月から実施予定だった電気用品安全法の中古家電適用を延長させるたたかいにとりくんだ若者が元気に発言。山岡拓也・ワールドワイドシステムジャパン代表は、「全商連と一緒にとりくんだからやれた。横のつながりができ、うれしい」と述べ、吉田喜一・都立産業技術高等専門学校教授は06年度の中小企業施策で、「高専などを中心とした中小企業人材育成システム」として4億円の予算がつき、「ものづくりの技術を継承したい」と抱負を話しました。
閉会あいさつで船津弘代表幹事(全商連常任理事)は「中小業者が21世紀の主役として頑張ってきたことを学んだ」と締めくくりました。
続く名刺交換会ではなごやかに交流。リサイクルショップ経営の若者からは、PSE法反対の若者のデモがまちで評判になったことが紹介され、「また何か政府がやってきたらすごいデモをやる」と発言すると拍手がわきました。
藤岡亜美さんは「いろんな業種があり驚いた。一堂に会し、話し合うことに意義を感じる。国が問題のある法律を次つぎ決めているが、こういう人たちが瀬戸際で悪くならないよう守っていると分かった。もっと多くの人がこの活動を知ってほしい」と話していました。 |
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