全中連
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「今年は一緒に経営を守るためにたたかう年だと思う」「一致できるものはぜひ協力してすすめたい」。各業界の交流の場として定着した全国中小業者団体連絡会(全中連)の「業界懇談会・名刺交換会」(17日・東京)には50人の業界幹部が出席し、展望を開く元気な話に共感の声が出され、交流を深めました。
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懇談会では各業界の現状や展望を大いに語り合いました |
開催は今年で7回目。岡崎民人事務局長(全商連事務局長)の司会で始まり、主催者あいさつをした国分稔代表幹事(全商連会長)は「前向きでプラス思考の交流が盛んでそれが伝統となりつつある」と強調し、昨年の懇談会以降、貴重な成果が生まれている業界があると話しました。
国分代表幹事は、中小業者の排除をねらった官公需法の改悪・骨抜きをやめさせて改善させたこと、ディーゼル規制問題では規制適合車に買い替える力のない業者を廃業に追い込もうとした政府・大企業の企みのなか、規制をクリアする装置を中小業者が開発したことを紹介、「環境、福祉、高齢化の問題に今どうこたえるかが問われている。中小企業がそれに挑戦するには、ネットワークと共同を広げることが大事」と述べました。
懇談会は、政府のさまざまな攻撃に抗し、むしろそれをチャンスに経営を向上させている話が出され、笑いも起こるなどなごやかな雰囲気ですすみました。
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業界幹部と懇親を深めた名刺交換会(左から2人目が国分稔代表幹事) |
住江憲勇・全国保険医団体連合会副会長は「混合診療反対運動はもとより、すでに診療から切り捨てられている人たちをどう救うのか、受診力を回復する国民的なたたかいをしていく」と決意を、堀江勝・千葉県畳業組合連合会副理事長は「信頼されるものを作っているという姿勢を大いにアピールをしていきたい」と話しました。
橋沢政實・日本表面処理機材工業会専務理事は「好景気は一部の大企業で下請けは依然厳しいが、高技術のメードインジャパンへの期待は強くなっており、ものづくりを大切にやっていきたい」と力を込めました。
なんのために仕事をするのか、時代にこたえる仕事をと、気概を込めた話も続きました。
ディーゼル規制の後付け装置を開発した岡本幹雄・東京電子サービス代表取締役は、「認定を要求し続けるがまだだめ。自動車メーカーの横やりもあり、一番困るのは車を使う人たちで、理不尽だ。みんなで立ち上がってほしい」と訴えました。
教材用ビデオ製作をする吉村廣重・(株)アスパクリエイト社長は「人の視線での作り方を貫き、世の中を変えていこうとする人たちの心に訴えるものを出していく」。菊池大輔・(株)アート設計会長も「仕事はどういう生き方をするかで決まる。まちづくりに役立つ仕事をしたい」と発言しました。
星三男・全商連副会長は「道理に立ち団結してことに当たるなら、要求は実現できる。すべての業界の方たちと一致する要求で運動したい」と強調しました。
永山利和・日本大学教授は、「いまこそ地域をつくり変える大作戦を展開する時期ではないか」と激励しました。
閉会あいさつで船津弘代表幹事は「政府・大企業の政策が中小企業の発展に大きな障害になっているが、中小業者が力を合わせればいい世の中になることが出された。力が発揮できるよう交流を深めよう」と締めくくりました。
続く名刺交換会でも各業界の状況を交流。「官公需の運動を聞いて、組合でとりくもうと思った」「ヨコのつながりがないので、こういう場はありがたい」との感想が出されました。
発言から紹介します。
個人情報保護法への対応を
杉原佳尭・首都圏コンピュータ技術者協同組合専務理事
コンピューターの個人エンジニアの組合で組合員は1000人を超えます。
業界は景気がよく、国がIT技術者を育てなかったこともあり、むしろ人手不足です。
役所も保守管理は地場の業者を調達するという姿勢なので、よくなっているといえるでしょう。
しかし大変手のかかる仕事の上、技術は年々高度化するため、教育・再教育が業界の課題になっています。
政府はそこには手をつけませんから。
問題は個人情報保護法で個人では業務委託できなくなったこと。発注先が個人の取引は断ってきており、法人から派遣という形になります。個人事業で働くことが難しくなりつつあることから、ぜひ、この機会に組合に入って一緒に頑張れたらと思っています。
共同して官公需法活用へ
星野輝夫・受注連建設事業協同組合理事長
昨年、公共部門から中小業者を締め出そうと官公需法の廃止がねらわれましたが、中小業者団体がこぞってたたかい、廃止をやめさせました。
このたたかいで、官公需法とは何かが明確になり、新たに中小企業の経営基盤を確保する理念がうたわれ、さらに、分離分割発注や情報公開、新規事業者の参入などが改善されました。
今、これを活用しておおいに受注しようと運動しています。
大企業は中小業者を排除して下請けで使おうとします。今年は生活を守るため、ダンピングの歯止めのたたかいを強めたい。
そのためにも、業界の方たちとともにたたかわないとだめだと思っています。一緒に頑張りたい。 |
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