全国商工新聞 第3390号2019年12月16日付
年の瀬を迎えましたが、来る24日は、参院本会議で消費税の導入が強行採決されてから31年の節目になります。
30歳未満の方には、生まれる前から消費税があったことになります。
しかし、消費税の歴史は、広範な国民が減税・廃止を求めて、粘り強くたたかってきた歴史でもあります。
消費税の導入直前には、12万人、17万人と掛け値なしの大集会が相次ぎ、反対運動の高揚を多くのマスコミが「列島騒然」と報じました。当初の税率は3%でしたが、翌1989年の参院選で国民の怒りが爆発し、自民党を過半数割れの大敗北に追い込む原動力になりました。
あれから約30年、今年10月からは、ついに税率が10%となり、煩雑な実務を伴う複数税率も導入されました。加えて、免税点制度を無きに等しくするインボイス導入の企てもあり、「暮らしも生業も成り立たなくなるのでは」という深刻な将来不安と憤りが高まっています。
見逃せないのは、粘り強い消費税闘争を通じて、大局的に「税の在り方と使い道」を正す力が培われてきていることです。
この1年も「増税中止」で、より幅広い共同行動が展開され、心ある税理士たちとは「複数税率にも反対」で連携が強まりました。
7月の参院選では、市民連合と野党共闘の共通政策に、増税中止と「総合的な税制の公平化」が盛り込まれ、10選挙区で野党統一候補が自民党との一騎打ちに勝利する力になりました。
増税実施後は、対話運動を大きく広げたところで、「5%への減税」要求が希望として受け止められ、「複数税率・インボイスの廃止」要求が中小業者の大同団結を強める力になっています。
世論と運動こそ政治を動かす力です。増税と制度改悪が貧困と格差を増幅し、「10%廃業」も広げていること、消費税による税収が、対米追随の異常な大軍拡や大企業優遇の財源となっていることを広く知らせようではありませんか。
強行採決から31年の節目に、消費税闘争への決意を新たにし、悪政転換のたたかいを大きく展開していきましょう。