全国商工新聞 第3385号2019年11月11日付
安倍自公政権が、消費税率10%への増税と複数税率の導入を強行して1カ月が経過しました。増税が国民生活に重くのしかかり、制度の複雑さが混乱を招いています。また、相次ぐ大規模災害で悲嘆にくれる被災者にも、消費税は容赦ない負担を迫っています。
ある生花店では、「10月以降、客数が減り、売り上げが20%もダウンした。これだけ取り返すのは容易ではない」、美容院では「材料費は値上げされたが、お客さんのことを考えると値上げはできない」など、苦悩が広がっています。
キャッシュレス決済・ポイント還元を導入した事業者も、新たな手数料負担の重さが経営を圧迫しています。「日々の仕入れに必要な現金が不足する」「クレジットカードと現金で代金に差が生まれる」などの問題も発生しています。「お客さんを選別するような対応を押し付けられることが許せない」と、怒りが広がっています。
中小業者にとって、消費税10%による深刻な影響は、生きるか死ぬかを迫られる大問題となっています。
「5%に戻せ」の署名宣伝を広げているところでは、増税や事務負担の重さに怒りの声が寄せられ、新署名に応じるなど、まちの雰囲気は変化しています。
消費税への対応で悩んでいる多くの中小業者に対し、「税金の民商」からの声掛けが待たれています。
複数税率対応レジ導入は本来、国が全額無条件で補助を行うべきです。また、区分経理への対応で、税務署による仕入税額控除否認など横暴勝手な不利益処分を許さない構えが必要です。
インボイス制度については、実施は2023年10月です。慌てて課税業者の届出をしないよう知らせ、インボイスの撤回へ、世論と運動を広げることが大事です。
中小業者を廃業に追い込みかねない10%の「けた違いの悪影響」に怒りを燃やすとともに、増税につぶされない対策を、民商で一緒に学習・相談していきましょう。
5%への引き下げ、複数税率・インボイス制度の即時廃止を求める運動を、広範な国民・中小業者の共通の要求として位置付け、署名を大きく広げましょう。