全国商工新聞 第3369号2019年7月15日付
原水爆禁止2019年世界大会の開催まで1カ月を切りました。大会は8月3日の国際会議に始まり、広島大会6日、長崎大会7~9日で行われます。
来年は被爆75年、核不拡散条約(NPT)発効50年となり、5年ごとのNPT再検討会議が開かれます。会議に合わせて「世界大会ニューヨーク」も国際的に呼び掛けられています。
世界大会は、国連の代表、各国の政府関係者、世界の反核平和運動の代表、国内の諸団体や個人が集い、国際的な連帯を発展させる場になります。そして来年へと運動をつなげ、被爆者の「命あるうちに核兵器のない世界を」との願いを実現する重要な大会となります。
国際政治の大勢は、核兵器禁止条約を力に「核兵器のない世界」の実現を求めています。禁止条約には70カ国が署名、23カ国が批准しています。国連総会では禁止条約の調印・批准の促進を呼び掛ける決議が賛成126カ国、反対41カ国の大差で採択されるなど、核兵器廃絶の世論は着実に広がっています。
一方、核兵器をめぐる情勢は緊迫の度合いを増しています。アメリカは中距離核戦力全廃条約(INF)から脱退し、イランとの核合意から離脱、小型の「使いやすい」核兵器開発に着手しています。ロシアも新たな戦略核兵器の開発を行い、先制使用体制など核戦力に依存する姿勢を強めています。
安倍政権と日本政府は、一貫して核兵器禁止条約に反対してきました。米国の「核の傘」に依存し、世界の流れに逆行する姿勢は、唯一の戦争被爆国にあるまじき態度です。世界大会は、日本政府の態度を改めさせる重要な役割も担っています。
参院選では、市民連合と5野党・会派の「共通政策」に東アジアの平和創出と非核化推進が盛り込まれました。5野党・会派の勝利で、日本政府に核兵器禁止条約の調印・批准を求め、憲法9条に基づく平和外交への転換を迫りましょう。
民商・全商連は「平和でこそ商売繁盛」を信条としてきました。世界大会の意義を学び、参加など準備を急ぎ、草の根で「ヒバクシャ国際署名」を広げ、世界大会を大きく成功させましょう。