大企業中心の「骨太の方針」
国民犠牲許さず参院選で審判を

全国商工新聞 第3368号2019年7月8日付

 安倍政権が6月21日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2019」は、「『令和』新時代:『Society5・0』への挑戦」の副題を掲げ、新しい社会の在り方への提案を装っています。
 しかし実態は、消費税増税や社会保障の改悪で国民に負担増を迫り、IT大企業やゼネコン、電力大手、米国軍需産業のもうけを後押しするなど、従来型の大企業優遇、アメリカ言いなり、国民犠牲の政策に他なりません。
 一番の問題は、消費税を10月から10%に引き上げるなど、立場の弱い者により多くを負担させる財政運営を当然視していることです。年金受給開始時期を「70歳以降も選択できるよう、その範囲を拡大する」と明記し、年金に頼らず働き続けさせようとしています。
 国民健康保険料・税の負担軽減に役立ってきた国保会計への法定外繰り入れを早期解消するよう自治体に促す計画も盛り込まれています。
 アベノミクスによる低金利政策が地域金融機関の収益悪化をもたらしてきた責任には全く触れず、地域銀行の経営統合を進めようとしています。
 原発再稼働やカジノ推進をめざし、外交では「日米同盟を基軸」としながら、今後5年間で27兆4700億円を費やす中期防衛力整備計画に基づいて「防衛力を大幅に強化する」と宣言。ゼネコンが喜ぶ高規格幹線道路や整備新幹線、リニアなどの早期整備を打ち出しています。上下水道のコンセッション(運営権の民間委託)について「先頭に立って取り組む地方自治体を後押し」し、命の水を海外メジャーに売り渡す姿勢もあからさまです。
 「大企業栄えて民滅ぶ」-この亡国の方針を参議院選挙の公約にしているのが自民党です。
 対する立憲野党=立民、国民、共産、社民4党と1会派(社保)の代表は、消費税10%中止、原発ゼロ、生活を底上げする経済・社会保障政策の確立、防衛予算の使途変更など、市民連合が示した13項目の要望書に署名し、全力でたたかうと約束しました。
 希望を開く対案と政党への支持を広げ、安倍政権と危険な方針を葬りましょう。

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