全国商工新聞 第3367号2019年7月1日付
中小業者の死活がかかった参院選が目前(7月4日公示予定)に迫りました。
自民党は選挙公約で、消費税率10%の10月実施を明記しました。景気悪化と国民の批判を受けて、政権・与党の中からも見送り論が出されるなかで、「骨太の方針」でも閣議決定し、あくまで強行する構えです。また、「戦争する国づくり」を進める早期の憲法改正をめざすことを重点項目に掲げました。
年金を減らし続けた上、「老後2000万円が必要。年金に頼らず資産運用せよ」との審議会報告に、「100年安心とは何だったのか」と国民の怒りが沸騰し、「年金返せデモ」が起きるなど、選挙戦の重大争点に浮上しています。
「消費税10%増税とインボイスが導入されれば廃業しかない」「国民健康保険料が高過ぎて払えない」など、中小業者の経営も暮らしも一層困難になっています。
今度の選挙は、安倍政権に「消費税10%増税中止」「9条改憲ノー」の審判を下し、大企業・富裕層中心の政治を国民・中小業者に取り戻す絶好の機会です。
民商・全商連は、「平和でこそ商売繁盛」を掲げ、戦争法の廃止と結び、日本経済と中小業者の経営に打撃を与える消費税10%中止の運動を広げてきました。国民のたたかいにより、消費税増税、9条改憲、原発推進、辺野古新基地建設、「ウソと忖度の政治」などいずれの問題でも、安倍政治への批判が世論調査で多数となっています。
安倍政権打倒をめざす「市民と野党の共闘」により、参議院32の一人区全てで5野党・会派による統一候補が実現しました。また、市民連合との間で、消費税10%中止、改憲発議反対を含む13項目の共通政策で合意しました。統一候補のいる選挙区では、民商・県連で支援決議をあげ、中小業者政策で懇談・合意する動きも始まっています。
今、消費税増税とインボイスの害悪、国民の福祉置き去りと兵器爆買いの実態、払いきれない国保料・税の背景にある国庫負担の削減など、切実な要求実現と政治の転換を切り結ぶ宣伝と対話が大切になっています。
すべての中小業者の生きる道切り開く選挙戦として全力をあげましょう。