全国商工新聞 第3363号2019年6月3日付
国民健康保険(国保)料・税の決定通知書(納付書)が6月中旬から一斉に送付されます。
今年の国保料・税は、多くのところで大幅値上げが予想されています。調査を行った東京23区を含む311市町村のうち、半数近い140市町村が値上げし、自治体によっては5万円~10万円も値上げされる実態が明らかになっています(日本共産党調べ)。
国保の「都道府県化」を機に、市町村の国保会計への法定外繰り入れの解消を迫る国の政策が背景にあります。
「低収入でも高過ぎる国保料・税」という国保の構造的な問題は、全加入世帯の6分の1を超える滞納者を生んでいます。今後も相次ぐ値上げが予想される中、「払える国保料・税に」の運動は、国民的課題となっています。
滞納の制裁措置ともいえる正規保険証の取り上げが生命をも脅かしています。全日本民主医療機関連合会(民医連)の2017年事例調査概要報告によると、経済的事由による手遅れ死亡事例のうち47・7%が、「無保険・資格証明書・短期保険証」だったといいます。
国・自治体による強権的な差し押さえや過酷な保険証取り上げなど制裁行政は絶対に許されません。
国保料・税を引き下げるため、国庫負担を引き上げるべきです。全国知事会は1兆円の公費投入を求めています。全国の自治体の首長や議長らで構成する地方6団体からも声が上がり、子どもの均等割の軽減措置、国庫負担による子ども医療制度の創設などを求めています。
生きることを優先することが大事です。国保料・税の減免申請や納税緩和措置制度の活用と併せ、無料低額診療の活用、自治体や国保運営協議会への要請、議会請願など、全商連「国保提言」パンフを使って地域での運動を広げることが求められています。
6月19日には民医連との共催で、「国保制度の改善をめざす集会」(衆院第一議員会館)も開かれます。
全商連婦人部協議会(全婦協)が取り組んでいる「業者婦人の実態調査」で集まって話し合う取り組みに全会の力を合わせ、国保改善運動に生かしていきましょう。