全国商工新聞 第3352号2019年3月11日付
未曾有の被害をもたらした東日本大震災から8年を迎えました。いまだ避難生活者約5万4000人(復興庁19年1月発表)と、生まれ育った地域に戻れない大勢の方の苦悩が解決されないままになっています。
この大震災は、地震・津波等の自然災害の脅威と合わせ、原発事故がもたらす被害と恐怖を白日の下にさらしました。「人類と原発は共存しえない」ことを知った市民・団体と私たち民商の仲間との共同で、再生可能エネルギーの普及や、原発事故の責任究明と賠償を求める「生業訴訟」などのたたかいを広げてきました。
また、復興をめざすさまざまな施策を国・自治体に求めてきました。今、多くの国民は「防災の強化」を求め、被災者は「1日も早く元の暮らしに戻ること」を願っています。共通しているのは、憲法13条「幸福追求権」、25条「健康で文化的な生活を営む権利」などの視点から、「公的支援の拡充」を求めていることです。
しかし安倍政権は、原発再稼働・輸出に固執しているばかりか、被災者の暮らし・生業再建より大企業支援や戦争する国づくりを進めています。さらに今後5年間に27兆円強の軍事費を予算配分しようとしています。
民商・全商連は、税金の使い方として、「軍事費を削って、暮らし・福祉、生業の支援に回せ」と運動してきました。
自然災害では、24年前に発生した阪神・淡路大震災時に「個人財産に税金の投入はできない」としてきた強固な“壁”を打ち破り、支援金を含む被災者生活再建支援法を実現させました。また、中小業者の事業継続へ直接支援に道を開くグループ補助金の制度を実現し、その拡充を図ってきました。
東日本大震災以降も災害が相次ぐ中で、「集まって、話し合い、相談し、助け合って、営業と生活を守る」ことを活動の原点としている民商・全商連運動の役割発揮がいよいよ求められる情勢です。
被災者・被災地の願いと反する「消費税10%への増税は絶対に許さない」の世論をさらに高め、被災者支援強化につなげていきましょう。