全国商工新聞 第3347号2019年2月4日付
中小企業政策審議会の小委員会での議論を踏まえ、「小規模企業振興基本計画」の初の見直しとなる第Ⅱ期案がまとめられました。
この基本計画は2014年成立の小規模企業振興基本法により、施策の総合的かつ計画的な推進を図るため策定され、おおむね5年ごとに変更するとされていました。
基本的考え方では「小規模事業者の持続的発展」に加え、新たに「地域の持続的発展」が盛り込まれました。また、支援拡充へ商工会・商工会議所や地方公共団体、地域金融機関だけでなく、認定支援機関や民間事業者との連携も強調されたことは注目に値します。
施策を講じる際の目標の一つが「地域ぐるみで総力を挙げた支援体制の構築」です。この中で、小規模事業者支援法の経営発達支援計画や、被災時における事業継続支援で「P=プラン(計画)、D=ドゥ(実践)、C=チェック(検証)、A=アクション(改善)」のサイクルを回す視点が示されました。
重点施策でいえば、その積極面を生かしつつ、建設的な対案を強めることが求められます。
例えば、需要開拓支援で「小規模事業者の政府調達参入の促進に努める」というなら、自由貿易協定による多国籍大企業の進出と支配に歯止めをかけるべきです。また、多様な小規模事業者の支援として「フリーランスの活躍の場が広がっている」というなら、その業種・業態や就労状況をきちんと調査し、最低生活費の確保につながる公正取引の指針をつくるべきです。
今回、施策を総合的かつ計画的に推進するための必要事項で、消費税増税に伴う軽減税率対応なども明記されました。「小規模事業者が円滑に対応できるよう」「広報や支援を行っていく」といいますが、インボイスの導入で膨大な免税業者が取引から排除され、廃業に追い込まれる危険性の指摘もありません。
景気の底割れや商売の大混乱を招かないためにも、消費税10%の中止は不可欠です。消費税闘争を大きく展開し、小規模事業者と地域の持続的な発展への展望を開きましょう。