全国商工新聞 第3346号2019年1月28日付
1月28日から通常国会が始まります。今国会では、10月からの消費税増税をにらんだ予算案審議が大きな議題となります。 予算案をめぐっては、1機116億円の戦闘機F35Aの大量購入をはじめ米最新鋭攻撃兵器の「爆買い」をする一方で、国民の暮らしや命に関わる社会保障は露骨に切り捨てられています。
中小業者に関わる予算では、ものづくりや持続化に関する補助金の当初予算化・増額など一歩前進に見えますが、「稼げる企業を応援し、新陳代謝を促進する」としている中小企業政策の内容は改められてはいません。
中小企業対策予算の規模自体も、災害からの復旧・復興に関わる支援策も含めわずか1740億円(予算案総額の0.17%)です。消費税率引き上げに伴う臨時特別措置のキャッシュレス・ポイント還元事業2798億円よりも少額です。
中小企業は民間企業数全体の99%を占めており(2018年中小企業白書)、10年6月に閣議決定された中小企業憲章において「日本経済をけん引する力であり社会の主役である」とされていながら、わが国の予算の上では、極めて低い位置付けとなっています。
社会保険への加入が強められ、建設業者などが苦しんでいる高過ぎる保険料の低減や助成、従業員の雇用(継続)につながる最低賃金の保障など、中小企業への支援策の強化・増加で実現可能なものが数多くあります。
2月6日に東京・砂防会館で開催される全国中小業者決起大会(主催・全中連)は、「消費税10%は中止に! 地域経済の振興を、改憲やめよ!」などをスローガンに開催され、省庁交渉やデモ行進も行います。
各地から「被災者本位の復興」や「風営法の見直し」「マイナンバー制度の中止」など、業種別・問題別の要求と署名を結集し、大会を大きく成功させることは、「商売を続けて生きていきたい」という中小業者の願いともつながるものです。
軍事費を削って中小業者に予算を回せの声を大きくしていきましょう。