民商の役割発揮して平和で明るい1年に

全国商工新聞 第3343号2019年1月7日付

 あけましておめでとうございます

全国商工団体連合会 会長
太田 義郎

Photo

 全国の中小業者、民商会員、商工新聞読者の皆さんへ新年にあたってのごあいさつを申し上げます。
 今から30年前(1989年)、消費税が3%で導入されました。あれから今日まで「格差と貧困」は毎年拡大し続けてきました。大企業の内部留保は425兆円を超え、空前の規模でもうけを増やしています。一方で、国民の側は貯蓄ゼロの家庭が全世帯の3割を超えるまでになっています。経済成長は止まり、“失われた30年”と言われるまでに転落しました。また、中小業者数も大きく減少し、地方経済は荒涼とした状況になっています。
 こうした中で、小規模企業への支援を国・自治体の責務とする小規模企業振興基本法が14年に成立し、全国各地で地域経済の振興をめざす取り組みが始まっています。自治体が定めた中小企業・小規模企業振興条例の「支援団体」として、民商・県連を位置付けたところが全国で5県になりました。
 民商・全商連は「平和でこそ商売繁盛」を掲げています。先の戦争で中小業者は、軍事産業以外の商売はすべて廃業に追い込まれました。空襲で都市部は焼け野原になり、各家庭の国債や預金通帳はすべて紙クズとなったのです。「もう二度と戦争はイヤだ」の声が、このスローガンに結実しました。
 今、安倍内閣は、憲法を改正し、「国民が主人公」からふたたび、「国家が主人公」の国への道を歩もうとしています。「憲法を変えるな」の声を大きく響かせたいと思います。
 10月、政府が予定する消費税10%増税、複数税率、インボイスの導入を許すならば、大量の中小業者が廃業を迫られる事態になることは明らかです。「消費税10%を中止せよ」の一点で、大きな国民運動を起こそうではありませんか。
 今こそ、すべての市民と野党の共闘を広げ、明るい1年にしていきましょう。
 中小業者の団結の中心となる民商を強く大きくするため、「民商と中小業者の誇り」を大いに語りましょう。

ページの先頭