全国商工新聞 第3340号12月10日付
今月24日に消費税は成立から30年を迎えます。1988年、多くの国民・中小業者が反対する中、当時の竹下登内閣が強行採決した消費税は悪税としての性格をますます増長しています。
消費税は応能負担の原則に反し、低所得者ほど負担が重い逆進性があり、徹底した大企業優遇の税制です。税制「改正」のたびに、法人税が引き下げられ、消費税導入時40%だった大企業の法人税率は23.2%となり、消費税は法人税収の穴埋めに使われてきました。
施行当初は中小業者の反対を抑えるために、簡易課税制度や限界控除制度を導入し、事務負担や税負担を軽減してきました。しかし、「小さく生んで大きく育てる」(自民党幹部)の言葉どおり税率引き上げや中小企業対策を改悪し、現在では国税税収の約3分の1を占める基幹税となっています。
安倍首相の増税宣言以降、「増税反対、増税凍結せよ」の声が日々高まっています。増税後の景気対策として、キャッシュレス決済に5%のポイント還元や低所得者を対象にしたプレミアム付き商品券の販売など、10兆円規模の財政出動を求める声まで上がり、「なんでもあり」の状態になっています。国税庁も複数税率に対するQ&Aを4回も改訂する混乱ぶりです。
増税で国民に負担増を強いる一方、国の予算では軍事費(防衛費)を突出させ、攻撃型の兵器を次々と購入し、第2次安倍政権以降、6年連続の増額、来年度の概算要求は5兆3000億円を超える過去最高額となっています。医療、介護、年金、生活保護などを次々と改悪し、消費税は社会保障のためという理屈は成り立ちません。
複数税率は国民生活に混乱をもたらし、貧困と格差を拡大します。インボイス制度の導入は免税事業者が取引から排除され廃業を加速させます。最も有効な景気対策は言うまでもなく増税を中止することです。
京都では420団体が増税中止の請願に名前を連ね、地方議会でも意見書採択が広がっています。幅広い団体・個人とも連携し、怒りの世論を大きく広げ、消費税増税を中止に追い込みましょう。