年末の資金繰り対策
制度融資活用へ相談会広げよう

全国商工新聞 第3338号11月26日付

 年末を控え、資金繰りの大変な時期を迎えています。
 資本力の乏しい中小業者にとって、無担保・無保証人の公的融資制度は、「命綱」ともいうべき存在です。
 公的融資制度には、自治体(市町村や県)が信用保証協会、金融機関と連携して設けている各種制度融資、日本政策金融公庫(政府系)の融資制度などがあります。起業直後や、金融機関との付き合いが浅い場合でも利用でき、金利が低く、元金の据え置き期間が半年から1年など安心して利用できるのが特徴です。
 利息や信用保証料への助成を厚くした年末緊急融資を創設した自治体もあり、複数の借り入れを一本化する借り換え融資や、既存融資が条件変更中でも新規融資が可能な「条件変更改善型借換保証」制度、起業前後に申し込める「創業支援融資」などがあります。
 また、今年各地で起きた集中豪雨や地震などの自然災害に対応し、融資を受けやすくする国の特別保証制度(セーフティーネット4号)も創設されています。国が指定した災害と地域であること、期限内に自治体に申請すること、などが条件です。
 全商連付属・中小商工業研究所の「2018年下期営業動向調査」では、景気指標の売上DI値(「良い」マイナス「悪い」)は▲39.4%で前期比▲0.9%と後退し、とりわけ食料・繊維・木製品・印刷関連製造業と宿泊・飲食業が2桁の大きな悪化と報じています。スナックなどの飲食店では小口の資金要求も切実です。
 この間、各地の民商では金融機関に「所得が低い」などを理由に断られた場合でも諦めず、融資要求を実現してきました。事業のセールスポイント、経営方針、融資の必要性、売り上げ・利益目標などを相談者と練り上げ、説得力のある「事業計画書」で自信を持って対応することが大切になっています。
 宣伝物や口コミで公的融資制度の優位性を大いに知らせ、地域金融機関とも懇談を進めながら融資活用の運動を広げましょう。なんでも相談会を旺盛に開催し、「年を越せますか」と会内外で声を掛け合い、厳しい年末を乗り切りましょう。

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