来年度予算概算要求
「税の使い方正せ」の声を大きく
2019年度予算の概算要求が出そろい、一般会計の要求総額が102兆円を超えました。しかも、来年10月予定の消費税増税に備える経済対策は「別枠」扱いとなり、盛り込まれていません。そのため、年末に向けて編成される一般会計の当初予算が初めて100兆円を超える可能性があります。
この間、全商連は国民大運動実行委員会の一員として政府への予算要望に参加し、軍事費(防衛費)の削減、暮らし・福祉・教育や中小企業向け予算の充実を求めてきました。また、全商連として西日本豪雨による被災業者支援の拡充や追加の財政措置を行うよう、9省庁に提案してきました。
こうした中で、国土交通省は2018年度比で1.33倍となる5273億円の水害対策や同1.25倍の土砂災害対策958億円を予算要求しました。文部科学省は公立学校の安全対策・防災機能の強化として、エアコン設置(500億円)、ブロック塀の倒壊防止(200億円)などを計上しています。経済産業省は「ものづくり補助金」を当初予算化し、自治体の中小業者支援を後押しする「自治体連携型持続化補助金」を新規要求しました。
これらの対応は、国民の願いに一定程度沿うものであり、地域の中小業者支援の拡大にもつながります。
一方で、過去最大となる5兆2986億円もの防衛費、原発の新増設につながる原子炉技術の高度化、自治体が行う住宅リフォーム助成制度を制限しかねない社会資本整備総合交付金の運用改善など、見逃せない問題が数多く盛り込まれています。
消費税増税対策予算の具体化はこれからであり、10%への税率引き上げ、複数税率・インボイス制度の実施中止を迫る運動の強化が求められる局面です。
アメリカ言いなりに安倍政権が導入を決めた弾道ミサイルを迎撃するイージス・アショア2基分2352億円を土砂災害対策予算に回せば、同予算を3.4倍に増やすことができます。「防衛予算より防災予算を」など、「税金の使い方を正せ」の声を大きく広げることが重要です。