各地で自然災害が多発
住民と中小業者守る支援策急務
今年の夏は、7月の西日本豪雨以降も台風、集中豪雨、噴火に加え、猛暑などの災害が、日本各地で相次ぎ、連日のように住民避難の報道も続いています。
9月1日の「防災の日」は、1923年の関東大震災を忘れない、日常から大規模災害に備えるという意味から、1960年に制定されましたが、避難訓練など、災害から身を守ることが中心です。
その後、「阪神・淡路」「東日本」大震災などもあり、被災者生活再建支援法など、住民生活を支援する各種制度も部分的ではありますが実現してきました。
しかし安倍政権は、防災対策として国土強靱化計画や自衛隊派遣の迅速化などを推進してきましたが、国民・中小業者の生活を支える直接支援に対しては、積極的といえない状況が続いています。今回の西日本豪雨災害の時も、政府の対応が後手となり、多くの国民から非難されています。
また、自治体が想定した避難計画と住民意識とのかい離も指摘されています。
2010年6月に中小企業憲章が閣議決定された以降も、中小業者のなりわいを守る災害対策支援は遅れていると指摘せざるを得ません。
全商連は、今回の西日本豪雨も受け8日、国に対して「西日本豪雨災害から地域復興をめざす緊急提言」を行いました。
提言は、「日本の風土と環境の変化に即した災害対策」「被災地の住民生活と中小業者の経営再建」「住民主体の災害に強いまちづくり」を柱とし、災害からの復旧の財源は「財政の無駄の削減と大企業・大資産家の応能負担で」としているのが特徴です。
中小企業憲章においても「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である」とされており、被災地で再出発をしようとする中小業者を励ます災害対策・施策が、地域経済さらには日本経済の発展にとって極めて重要になってきています。
防災の日を前に、住民・中小業者が主体となる「災害多発国・日本」にふさわしい災害対策拡充の世論を、大きく広げていきましょう。