全国商工新聞 第3370号2019年7月22日付
大商連青年部協議会(大青協)は6月29日、全国で開催が呼び掛けられている民商サクセションのプレ企画として、「事業計画作成の学習&交流会」を開催。府内24民主商工会(民商)から40人が参加し、会外から2人の青年が参加しました。
経営を見直すポイントを学び、グループに分かれて交流した大青協のサクセション・プレ企画
前半の学習会では、全国商工新聞8面で「磨け経営力」を連載中の中小企業診断士・上品忍さんを講師に学習。経営分析の事例として、かき氷販売の新事業に挑戦している古着店、法人の元請けから個人の顧客を獲得するようになった自動車整備業者などを挙げながら、経営の現状を見直すポイントを説明しました。
講義の最後に、経営分析について「自分では当たり前と思っていたことも、人に話すと驚かれたり、関心されるなど、気付かなかった自分の経営の強みを発見できる。特に小規模な事業者ほど、第三者の意見を聞く機会が少なくなりがち。異業種で交流することで、思いもよらなかったアイデアやヒントが見つかる」と話しました。
講義の後は、三つのグループに分かれてグループワークを実施。参加者同士が自分の商売について語り合いました。
第1グループでは、松原民商のTさん=家具製造=が「自分は3代目で、椅子をメインに製造している。時代の流れとともに中国製が増えていたが、現在は自分たちの技術が見直され、仕事も回復している」と発言。今年の申告期に入会したばかりの茨木民商のYさん=自動車整備=は「若者の車離れや頑丈な車の普及で厳しい中だが、昨年12月に独立した。11年間の下積みの経験で、若い人が働きがいを持って、仕事ができる環境をつくりたい」と述べ、同業者との名刺交換や情報交換をしました。
第2グループには、就活中の学生と人材不足に悩む中小企業をマッチングするネットワークをつくろうとしている大学生2人が参加。「大企業に就職しても働き方がブラックだったという話をよく聞く。小企業の方が事業主との距離も近く、やりがいを持って働けるのではと思った」とネットワークづくりを考えたきっかけを説明。人材確保や従業員の育成に悩む業者青年からは「若い人は、どんな職場を求めているのか?」などの質問も出されました。寝屋川民商のTさん=大工=は「自分のやりたいことを自分の力で実現できるのが中小業者の魅力。人としての成長を実感できる仕事を追求したい」と話しました。
第3グループでは、「医療機器を製造している。老朽化した機械の入れ替えを目的に、ものづくり補助金に挑戦する」(鉄工所)、「お客からの相談に、自分だけでなく同業者の職人のネットワークでサポートできることが強み」(電気工事)などが話されました。
県連と県青協が共催する「民商サクセション企画」は、青年部の拡大・強化と民商の魅力の発信、業者青年に魅力ある交流・懇談の機会を通じて民商運動の継承・発展につなげるものです。11月の全青協総会までにすべての県で開催しようと呼び掛ける佐々木亮議長の訴えを紹介します。