全商連
全商連トップ とじる
第14回中小商工業全国交流・研究集会
ぬくもりと創意あふれる業者の出番
第14回中小商工業全国交流・研究集会開く
分科会
 15の分科会は、多彩なテーマで話し合い、笑いあり、感動の場面ありで充実した内容となりました。

「商業振興と大型店問題」の分科会で発言する学生
商業振興と大型店問題
住民生活問い直す

 各地の大型店出店阻止のたたかいの発言から「地域で継続的に反対運動のネットワークをつくることが大切」「まず自分自身が変わること。地域でともに考え行動するときではないか」「『まちづくり3法』の抜本改正が必要」との提起がありました。
 京都からは、京都・北町商店街が仏教大学と相互提携協定して、産学公の連携をすすめていることを報告、福島からは大店立地法にもとづき、地域ぐるみで出店反対の意見書の提出にとりくみ出店をストップさせたこと、県のまちづくり推進条例制定にあたり住民の意見を反映させるよう要求したことを報告。地域ぐるみのたたかいでこそまちづくりがすすめられると強調されました。
 熊本から「政府の世論調査でも『出店規制が必要』が6割に。住民は変わってきている」と発言、助言者も「大型店問題は住民の生活を問い直すきっかけになっており、このままでは地域がやせ細ることに住民も気付き始めている」と指摘。
 群馬・前橋民商の永井三郎さん(59)=不動産=は「大型店の影響で昨年書店を廃業した。大型店問題は国民レベルの問題。これ以上犠牲者を出さないよう頑張りたい」と話しました。

料理飲食業
リピーターの確保

 各地のスタンプラリーのとりくみや特徴ある個店づくりを交流しました。
 京都・中京料理飲食業組合の七尾壽晃理事長は木屋町、先斗町を「危険なまち」との風評から「安心して飲めるまち」を取り戻すため、放置自転車の撤去や風俗店の規制に地域ぐるみで成果を上げた事例などを報告。
 北海道・帯広民商の志子田英明さんは、「スタンプラリーを手探りで成功させた後、地元の商店街からも『やりたい』と申し入れがあった。とにかくやることが大事」と訴えました。
 東京・中野民商の児玉ひかるさんは現職の真宗大谷派のお坊さんで「中野・坊主バー」を開業。地域社会におけるビハーラ(寺)運動としての坊主バーの意義を独特な語りで報告。京都・東山民商の久保田憲一さんは、京都府観光業協同組合から「お客に安心して紹介できる料飲店を組合として紹介できる事業にとりくめないか」と申し入れがあり、事業として成功させたいと発言しました。
 参加者からは、スタンプラリーに小売業者も参加できないか、どうしたらリピーターを確保できるかなど活発な発言が続きました。
 吉田敬一・駒沢大学教授は、「スタンプラリーは、商売をシビアに考える自覚を生み、リピーターも出てきた。最終目標はリピーターの確保だから、今こそ小規模な料飲業者の出番。個店のオリジナル性を高め、底上げを図ることが大切」とまとめました。

中小業者のネットワーク
つながり生かして

 関西中小工業協議会ウィックグループの河村道男さんがグループの製品開発を通したネットワークのとりくみを、高知・中村民商の小椋茂昭さんが清流四万十川を仕事起こしにつないだ「四万十ウエディング企業共同」のとりくみを報告。さらに関連業者と住民、消費者を巻き込んで商売を拡大する工務店の活動、北海道連から各地で農民、中小業者、研究者、労働者がネットワークをつくってさまざまな課題でとりくんでいる事例が報告されました。
 参加者から「ネットワークづくりのために、会員同士をつなぐ『あったか名簿づくり』をしているが、それ以上に発展しない」などの悩みが出され、佐竹隆幸・兵庫県立大学教授は「ネットワークづくりは仕掛けづくりが大切。産業のつながり、人とのつながり、地域のつながりを築く視点が大切。ネットワークで生きる術をつかもう」と助言、熱心に交流しました。

公正な取引ルール・下請け企業問題
大手の横暴を告発
 巨大FC(フランチャイズ)産業に山積する問題について河合章さん(全国FC加盟店協議会兵庫支部長)が報告。通常の会計用語を微妙に変えた「荒利益」「純売上原価」などで契約内容をごまかしており、加盟店が減少しているにもかかわらず本部が利益を伸ばしているのは本部の横暴を取り締まる法律がないのが最大の原因と指摘。
 建設関連業者は下請け価格は適正価格の通常70%に抑えられ消費税はもらえず、県の公共工事も100%談合で請負の10%を「お供え」と称して献金する生々しい状況を報告。金属加工業者は「メーカーから商社を通じて発注されるが、商社がメーカーに集金に行くと長期手形で、メーカーは3%手形を割るピンハネをする。商社もそれを業者に押し付ける」と告発しました。
 助言者は、「予想以上のルール違反、下請けいじめが横行している。技術と信用を大切に経営する下請け業者を法律家の立場で応援を強めるべきだと痛感した」と述べました。

後継者・新規起業
学習を力に頑張る

 親が急死して事業主になった板金溶接業者は、「営業と人付き合いが苦手。つわものばかりの社長と対等に向き合って仕事をとる力を養うのに苦労する」と語り、大商連青年部協議会の「商売アピール」学習会などが力になることを報告しました。
 開業セミナーのとりくみを静岡・小笠掛川民商の会員が発言。セミナーに参加して開業めざしてして頑張る人が生まれていました。
 参加者からは「親が陶器の商売をしており、継ごうと思っている。現場がどうなっているか勉強したい」「このまま続けていいのか。つぶした方がいいのかを思案中」「息子を含め10人で仕事をしている。資格をどんどんとってやる気にならないといけない。こう考えると気分が楽になる」「セミナーはぜひやってみたい」と発言が続き、学生からは「自分も後を継ごうと考えており、生きた話が聞けてよかった」と話していました。
 
全商連トップ ページの先頭 とじる