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第14回中小商工業全国交流・研究集会
ぬくもりと創意あふれる業者の出番
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カフェテリア集会
意欲、想像力に共感
 今回、初めての試みとして「極める」「切拓く」「魅力ある中小業者」の三つのテーマで「カフェテリア集会」が開かれました。

極める
機械ができない高い密度のの仕事
 阪南大学の大槻眞一学長は「『極める』とは文化であり、文化に優劣はない。中小業者には『手業』があり、それが文化。ひらめきやアイデアを開発にどうつなげるか。販路を考え、製品化することが大事」と講演しました。
 実践報告では「京の伝統工芸品教育活用事業」を活用し、西陣織の「織額」づくりに挑戦した西陣の職人グループ(京都・上京)や印染め友禅(兵庫)、外食産業やホテルに特注の椅子や「曲げ木」を生かした木製品など「提案型」のものづくり(大阪・大東)、自動機械化に巻き込まれず、機械ができない高い密度の仕事を受注している(大阪)ことなどが紹介され、自らの技術を生かしたさまざまなものづくりに、参加者は共感していました。

カフェテリア集会「切拓く」ではマイクロバブルを発生させる装置開発に関心が寄せられました
切拓く
産学の共同、連帯 前向き姿に勇気

 日本高専学会会長で徳山工業高等専門学校の大成博文教授がマイクロバブル技術を開発した25年間の経験を踏まえながら講演。大成教授は直径が10〜数十マイクロメートルの微細な気泡、マイクロバブルを大量に発生させる装置を高専との共同で開発。赤潮が大量に発生した広島カキの養殖場で、この装置を使ってカキを救ったことなどがマスコミで大きく報道されました。「全国の高専と中小企業が共同、連帯することで中小企業の活力を大規模に切り開くことができる。可能なことから実践を重ね、質的な発展をめざすことが今日的課題」と強調しました。
 京都・右京民商の三島正也さん=畳店=は扇型茶室に敷いてある扇型の畳を見て菱型、八角形、パズル敷、扇型などの創作畳を考案。展示会を開き、美術大学との共同作品を模索しています。
 兵庫県青年部協議会の井賀英夫さんは、音楽を提供する仕事を起業し、青年部や民商の仲間の励ましやアドバイスで販路を広げていることを報告。
 大阪・西淀川民商の金増恵子さん=鉄工=は四角日傘を考案し、十数年かけて改善を重ね、商品化していると実物を紹介しながら話しました。
 大阪・天王寺民商の西寛さんは多重債務に陥り、再起をかけて家具のリサイクルを始めました。不用家具を再生して販売し、「仕入れ価格ゼロ」を実現。今後、地方に進出することも考え、参加者は厳しいなか、前向きに商売に励む仲間の姿に勇気づけられました。

カフェテリア集会で熱心に話を聞く参加者
魅力ある中小企業
染み付いた技術 生業ならばこそ

 「小規模企業に勝あり」と題して講演した鵜飼慎一・早稲田大学教授は「企業とは付加価値を生み出していくものであり源は人間の心身にある。心身を使い切るのが業であり、生業とは生きる業をもった人たちのこと。生業とは身体化された知識だ」と話しました。
 鵜飼教授が映像で紹介したのは、ブリキのおもちゃをつくる業者、80歳でプレスを踏む業者、精巧な印鑑をつくる業者など。その指こそが身体化された知識の象徴だと強調し、「身体的知識は工夫したり、集まって話し合い行動するなかで更新できる。生業は地域社会が基盤だから地域社会でしっかり生きていくことが大切」と指摘しました。
バーチャル展示場では写真パネルにも注目が集まりました
 続いて3人が報告。「水道の水もれ修理の医者」を自負する神戸西民商の村上哲也さん(水道設備)は、夜中でも飛んでいって修理していますが、「その場ですぐ修理できるのも何十年来の技術が染み付いているからこそ」と発言。大阪・生野民商青年部の喜多義範さん(金属加工)は、簡単な設計図で注文通りの製品をつくる業を持ち、挑戦する楽しさを報告し、和歌山・有田民商の児島誠一さん(生花店)は癒しとしての花文化をテーマに語りました。
 鵜飼教授は「3人とも夢がある。ものづくりは創像力が一番発揮され、生業でないと日常生活の緊急事態には対応できない。ベンチャー企業も大量の生業の中から生れてくる」と激励しました。
 
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