全商連
全商連トップ とじる
第14回中小商工業全国交流・研究集会
ぬくもりと創意あふれる業者の出番
第14回中小商工業全国交流・研究集会開く
パネルディスカッション
商売のアイデアつかんだ
勇気と感動与えた多彩な企画
 「独自の技術を生かしたものづくりに感心した」「商売のアイデアをつかんだ」‐‐。参加者に勇気と感動を与えた第14回中小商工業全国交流・研究集会。分科会、パネルディスカッションをはじめ、今回初めて開かれたカフェテリア集会など盛りだくさんの企画がとりくまれました。その様子を紹介します。

「まちづくり」のパネルディスカッションでは商店街のとりくみなどが映像で紹介されました
「まちづくり」
「緊急提言」の報告や活動の「秘けつ」紹介

 大江金男全商連常任理事が全商連が発表した「『まちづくり3法』の抜本改正と中小業者・国民本位の商業政策をめざす緊急提言」を報告。「この6年間、『まちづくり3法』はまったく機能しなかった。全商連の『緊急提言』は大型店の民主的な規制と地域経済を活性化させるためのまちづくりを提起した」と説明しました。
 大阪・平野民商の黒瀬杲さん=喫茶店=は、古い町並みに15軒の小さな博物館を点在させ、歴史と文化を広げているまちづくりを紹介しながら、「行政に頼らず、自らの手でぬくもりのあるまちをつくるため、ええかげん(よい加減)にやるのが活動を長続きさせる秘けつ」と強調しました。
 「新技術者集団」の今村敏雄さんは名古屋市の「大須商店街」の再生を報告。繁栄していた大須地域が区画整理事業や路面電車の廃止などで急激に衰退したものの、市民による手作りの『大道町人祭り』がそれに歯止めをかけるきっかけをつくり、にぎわいを取り戻しています。
 和歌山大学の足立基浩助教授が報告したのは学生たちと一緒にとりくんでいる「ぶらくり丁」商店街の活動。「公募による策定委員会が個店の魅力を引き出し、買い物する人たちが楽しめるオープンカフェなどを始める。まちづくりには住民参加が欠かせない」と話していました。

パネルディスカッションで発言する参加者
「産学公連携」
高校生が改善提案し学校やまちに変化が

 兵庫・伊丹民商の元見三郎常任理事が伊丹高校と商店街の連携したとりくみを報告。高校生が店を訪ねて改善を提案し、初めてとりくんだ「ハロウィン祭」には大勢の子どもたちが参加。学校やまちが変化しています。
 大阪府立高専の伊藤詣二副校長は「高専の学生の求人倍率は15倍を超え、卒業生は地域で高い評価を得ている。創造的、実践的な技術者を育て、産学交流を通じて地域産業の振興・発展にも貢献したい」と強調。「関西創業サポートセンター」の久富慶吾さんは「開業相談をはじめ情報提供やネットワーク、人脈づくりへの支援、創業セミナーなどを開きながら中小業者を応援している」と活動を紹介しました。
 会社勤めの後、株式会社を設立した大阪・此花民商の大西淋聰さんは「5年前に開発した技術(重金属廃水からの金属回収システム)が採用され、設立10年を前にしてようやく黒字に転化。時代の流れや産業界の変化を予測し、グローバル化にも対応できるようにしている。行政の中小企業政策を面倒臭さがらずよく研究し、大学も積極的に活用することが大事」と報告。さまざまな分野で産学公との連携が発展していることに参加者は確信を深めていました。

「行政が変わる 運動が変わる」
地域の現状をつかみ自治体を変える展望

 大合併や「三位一体」改革などの行政改革によって、これまでの地域中小商工業者政策が大きく変貌していることを共通の認識にして議論されました。
 これまでのタテ型の運動から、自治体労働者を含めて多様な分野との共同を発展させるヨコ型の運動が可能な情勢であることが、大阪府内の自治体労働組合運動の枠を超えた実践として報告され、地域の現状をつかみ、自治体の主権者としての要求を具体的に提案することで、自治体を変えることができると展望が指し示されました。
 また、全国で大きなうねりになっている「まちづくり条例」制定の運動が、地域住民の支持を得られる透明な中身であることが挙げられるなど、共同を発展させる基本があらためて強調され、最も身近な自治体を変えていくことが「人間復権」の運動の第一歩になると議論しました。
 
全商連トップ ページの先頭 とじる