人権輝く社会保障を
中央社保学校開く

全国商工新聞 第3379号2019年9月30日付

 「人権といのちが輝く社会保障をともにつくろう」─。全国商工団体連合会(全商連)も加盟する中央社会保障推進協議会(社保協)は8月29~31の3日間、石川県金沢市で第47回中央社会保障学校を開催し、延べ千人以上が参加。安倍政権の憲法改悪、社会保障解体に反撃する、人権としての社会保障を学びました。
 1日目は、九条の会事務局長の小森陽一・東京大学名誉教授が「憲法9条を巡る情勢と私たちの課題」、井上英夫・金沢大学名誉教授が「平和的生存権と人権としての社会保障-社会保障レボリューションの提起」と題して、講演しました。小森さんは、安倍改憲策動を解説しながら、社会保障を削減する一方、戦闘機などを爆買いしている実態にも触れ、「お金を戦争に使わず、人間の生活のために使えと命令しているのが憲法9条と25条だ」と指摘。井上さんは、生存権を問うた朝日訴訟による人権意識の高まりや、基本的人権の本質を規定した憲法97条に触れ「皆さんの日々の人権を守る活動は歴史的に正当」と強調しました。
 2日目は、医療、国保、介護、年金など六つの分科会を行い、午後からは貧困シンポジウムを開催。基調講演を行った長友薫輝・三重短期大学教授は、「政治は貧困を解決するためにある。解決できない政治はおかしい」と強調し、貧困をめぐる近況や浸透する自己責任論などを解説しました。また、子ども時代からの貧困の連鎖、「2018年経済的事由による手遅れ死亡事例調査」の概要、年金引き下げ違憲訴訟の現状と到達点についての報告がありました。
 3日目は、「消費税と社会保障」と題して、ジャーナリストの斎藤貴男さんの市民公開講座が開かれ、消費税の仕組みや社会保障充実に使われていない実態などが話されました。

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