全国商工新聞 第3388号2019年12月2日付
全国商工団体連合会(全商連)は11月23、24の両日、都内で常任理事会を開き、次の決議を採択しました。
第2回理事会から3カ月、消費税闘争と改憲阻止を前面に、危機打開と組織の成長発展に力を合わせてきました。
消費税の増税・制度改悪に対する怒りを行動で示し、5%への減税と複数税率・インボイス制度の即時廃止を求める世論と運動を広げてきました。大規模災害が相次ぐ中、被災状況を集約し、助け合い相談を強めて、暮らしの復旧と生業再建への支援を自治体や国に要請してきました。組織建設では、12月末での年間増勢に達する動きに至っていませんが、消費税につぶされない対策を探り合うとともに、資金繰りの改善や徴収行政の横暴是正などで、仲間を増やす力を高めてきました。
「政治とカネ」問題で閣僚の辞任が相次ぎ、安倍首相自ら、税金を使って「桜を見る会」で後援会員をもてなしてきた事実も発覚しました。際限なく政治を私物化しながら、9条改憲を叫び、戦後最悪の大増税を国民に押し付けた安倍政権を断じて許すことはできません。
新たな段階に入った消費税闘争を前面に市民と野党の共闘に貢献し、立憲主義の回復や格差と貧困の是正、個人の尊厳を守る政治の実現を迫るたたかいを推進します。班や支部の再編・強化に本気で取り組み、「集まって、話し合い、相談し、助け合う」活動を行き渡らせます。業者婦人決起集会の成功や実態調査を総合力の発揮や暮らしと営業の見直しに生かします。「民商サクセション企画」に学んで、民商・全商連運動の継承・発展に取り組みます。
仲間を増やして悪政に反撃するため、拡大運動に思い切って力を集中し、全商連第53回総会時現勢の回復・突破をめざします。2020年地方別新春決起集会に成果を持ち寄り、意気高く春の運動に取り組みます。
消費税率引き上げや複数税率、キャッシュレス決済のポイント還元が混乱と「10%廃業」を広げています。消費税増税による収益悪化が急速に広がっています。レジシステムの変更費用やカード決済の手数料負担が資金繰りを悪化させ、接客や商売のありようにまで悪影響を及ぼしています。災害の被災地にも打撃となることは明らかです。
5%への減税を求める運動が広範な国民の希望になっています。また、複数税率・インボイス制度の即時廃止の要求は、官制団体を含めた広範な中小企業団体との一致点を広げています。野党共闘の共通政策にも盛り込まれるよう、新しい消費税署名で1会員10人分を早期に達成します。世論と運動で政治を動かすため宣伝・対話に打って出ます。
「10%対策・網の目学習運動」で知恵と工夫を交流し、民商ならではの「つぶされない対策」を班・支部まで徹底します。会外を対象にした取り組みへと発展させ、仲間を増やす機運を高めます。
区分経理に対応する自主計算・自主申告の運動を強めます。3・13重税反対全国統一行動・集団申告を大きく成功させ、「解散して信を問え」の声を広げます。
地球温暖化と相まった異常気象から、大規模災害が頻発しています。組織の力を発揮し、被災者支援で積み重ねてきた成果と経験を生かします。政府の「対策パッケージ」を徹底して活用し、改善を迫ります。消費税増税への対策や災害復旧で、中小業者を支援する自治体の独自施策を要求します。全国知事会など地方6団体が国保への財政支援強化を要求していることを踏まえ、国保料・税の引き下げを地方議会に働きかけます。
日米地位協定の見直しを国に求める意見書採択は8県172市町村に及んでいます。暮らしと平和に貢献する民商の姿を地域に知らせ、共同を広げることが、国と地方の政治を動かす共通政策づくりの力になります。全自治体要請に挑戦し、民商の値打ちを広く知らせて、班や支部のない空白自治体をゼロにする取り組みを強めます。
年末・年度末の資金繰り対策を強め、循環型の地域経済振興を働きかけ、景気悪化から商売を守ります。全中連・中小業者決起大会(2020年2月12日、東京・砂防会館)に、緊急切実な要求と署名を持ち寄り、実益獲得の機会として成功させます。
「右手に署名、左手に商工新聞」で宣伝・対話を広げ、読者前面の拡大を推進します。
民商・県連・全商連の宣伝が相乗的な力を発揮できるようにし、SNSの活用も商工新聞の購読に結び付くよう工夫します。消費税署名の請願趣旨をはじめアンケートやツイッターなどに寄せられた声を対話運動に生かし、読者を増やします。
全国商工新聞には、国民諸階層との共同を強め、中小業者の大同団結を促進する力があります。世論と運動で政治を動かすため、よく読んで勇気を湧かせ、紙面を紹介し合う機会を増やして、民商との新鮮な出会いを広げます。
読者拡大では、全国で2万人以上の増勢に挑戦します。大きな目標に見えますが、8人の会員で1人の読者を増やすことで全国増勢を実現できます。役員会のある2360の支部や1万742人に及ぶ班長の力を引き出すとともに、共済会や婦人部、青年部にも協力を訴えて、「仲間が増えて、みんな笑顔」となるようにします。
商工新聞を運動、組織、財政の諸活動を統一的に前進させる中心に据え、地域と全国を結んで運動を発展させる要にします。
「10%対策・網の目学習運動」では、「値決めや帳面をどうしている?」「私の商売ではどんな対策があるの?」などの疑問や不安に応え合う相談が大切です。学んだ知恵や工夫、中小業者として生きる意欲を共有して「民商はいいよ」「学習相談に来たらいいよ」の声掛けを内外に広げます。
地域での開業動向やフリーランスのネットワークをつかみ、会員の結びつきを生かして仲間を増やす力を高めます。全国で340万人を超える免税業者に、インボイス導入の危険性を工夫して知らせ、相談活動を生かして仲間に迎え入れます。コンビニや軽貨物、損保代理などで業種別名簿を揃え、チラシや全商連の提言・見解も活用して、民商の値打ちを伝えます。
会員拡大では、全国で8000人の増勢に挑戦します。20人の会員で1人の入会者を迎えられるなら全国増勢です。記帳を要求運動として発展させることで、個人の尊厳を守る力とし、実益を獲得して、小法人対策にも生かします。
機関会議では、限られた時間の中でも、相談活動や拡大運動の独自追求について討議し深め合うようにします。消費税闘争で相談の担い手づくりを強め、班・支部に所属する会員を増やして、学習相談と紹介を会員拡大に結実させます。
新たな指針となる「民商・全商連の財政活動を強めるために」を財政部会や機関会議で学び合います。民商・全商連の財政活動での先駆性に確信を深めるとともに、仲間を増やす力を高め、権力の不当な介入を未然に防ぐ力にします。