全国商工新聞 第3363号2019年6月3日付
加入者の2割近くが滞納者になるほど、高負担が問題になっている国民健康保険(国保)料(税)。ところが、2017年度の全国集計で約4844億円の黒字になっていることが分かりました。積み立てに当たる国保基金の残高も、全国集計で約4041億円に上っています。
今回の全国集計は、大阪社会保障推進協議会(大阪社保協)が「国民健康保険事業年報」(厚生労働省)をもとに、毎年の財政状況を集計して試算したもの。17年度の場合、16年度の約3293億円と比べ、約1551億円も黒字額を増やしています。黒字額は、後期高齢者医療制度が始まった05年からほぼ毎年、前年を上回っています。
国保基金で見ても、約3195億円だった16年度に対し、17年度は約846億円も上積みしています。
都道府県別では、沖縄県以外の46都道府県の国保財政が黒字になっています。
市町村別の場合、4月に発表された19年版「地方財政白書」によると、市町村国保の保険者1744団体のうち、1255団体が黒字に。一般会計から国保会計への法定外繰り入れが財政を支えていることもうかがえます。
自治体の国保財政を見極め、一般会計からの繰り入れの存続・改善が必要です。黒字の場合は、国保料・税を引き下げる要求も大切です。