全国商工新聞 第3390号2019年12月16日付
災害時における損保代理店の社会的役割を確認し、経営を困難にする手数料制度の改善を求めた院内集会
「損害保険代理店問題を考える」院内集会が11月22日、国会内で開かれ全国から損害保険代理店の経営者ら約110人が参加しました(同実行委員会が主催)。地震や台風、豪雨などに見舞われる「災害列島日本」で損保代理店の社会的役割を確認するとともに、損保会社による優越的地位の乱用が問題になっている委託契約書問題について議論されました。
兵庫県立大学客員研究員の松浦章氏が基調報告。「災害で損害保険産業が社会的責任を果たすためには、損保会社が『補償機能』を発揮できる損害サービス体制の強化と、代理店の経営を困難にしている代理店手数料制度を抜本的に改めることが必要」と強調。2020年の手数料ポイントがどうなるのか大阪でアンケート調査したことを紹介し、「71%の代理店が19年度より下がり、どの層の代理店もポイント減少傾向に。新たな手数料体系が経営安定をもたらすか全国的規模での検証が必要」と訴えました。
金融庁監督局保険課の横尾光輔課長は「手数料ポイントや『乗合』、委託契約問題については、国会でも議論されているが、顧客本位、契約者保護の観点から、保険会社と意見交換や聞き取りを重ねている。引き続き注視していきたい」と行政報告を行いました。
意見交換では、参加した代理店経営者から、「手数料ポイントが規定に基づく通知で一方的に変更されるのはおかしい。契約データの保管期間も法律による請求期間より短いのは是正されるべき」(大阪)、「来年の3月末で契約終了するという通告があった。意に沿わない代理店は一方的に整理するという乱暴なやり方は許せない」(大阪)、「10%増収したのにポイントは10ポイント下がるという通告があった」(京都)など、損保本社の横暴についての告発が続きました。
「代理店はやりがいも誇りも持っている。この思いを生かせるような業界にするために引き続き頑張っていこう」と申し合わせ、閉会しました。
日本共産党からは大門実紀史参院議員、清水忠史衆院議員が参加し、あいさつしました。立憲民主党、国民民主党、自民党、日本維新の会、無所属の各国会議員も参加しました。